パーソナルアシスタント町田
vol.137 2018.8 発行

<第137回> 介護の離職率

介護職の中で特徴的な問題点として常に挙げられるのは「離職率」です。
皆様も介護の仕事をしている中でお聞きすることがあるのではないかと思います。
では、本当に介護職の離職率は高いのでしょうか?
高いのであれば何が原因なのかという点について今回コラムを書かせていただきます。よろしくお願い致します。

 まずは、介護や福祉の離職率ですが、様々なデータを見ると離職率はさほど高くないことがわかりました。職種別で見ると飲食業などの離職率の方がよっぽど高いというデータが出ています。では、なぜ介護職の離職率が問題視されなければいけないのでしょうか。
 それは、離職率の高さとは全く別の、人材確保のために離職率を抑えていかなくてはいけないという問題が影響しています。ですから「介護職は離職率が高くて大変」ではなくて、「今後数年以内に莫大な数の介護士が不足するのを受けて介護職の離職率を抑えていかなくてはいけない」というところが実態だと私には感じられました。

では、次に介護職の離職の原因について見ていきましょう。
原因についても様々なデータが出ていますが、介護職の離職理由で上位に来るのは、
・職場の人間関係に問題があったため
・法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため
と、いったものです。

 収入が少ない、福利厚生が充実していないなどの問題ではなく、人間関係や事務所の理念が上位に来るのは私にとって意外でした。
 しかし、よく考えれば思い当たる部分もあります。
 例えば本来、会社などの組織の強みは個人で対応、解決できない事も組織で解決できるところにありますが、訪問介護において原則的に利用者と一対一、二人介助でも一対二と職場で関わる人間の数が少ないことが特徴として挙げられます。
 訪問介護という仕事の中ではコミュニケーションの幅が狭いと言わざるを得ません。
 その点、不満などもたまりやすくなっているし、その不満や起こってしまった問題解決に関わる人間も少ないと考えられます。

 ちょっと介護職に対してネガティブな見解を述べてきましたが、解決策は思ったよりもシンプルで人間関係の構築や事務所の方向性を明確化させる、といったところでしょうか。

 今回、調べていく中で離職理由が高いと思われた収入面や福利厚生だけではなく、人間関係や事務所の方向性まで絡んでいるとわかりましたので、事業所はただ、給料だけを上げれば離職率を抑えられるという事ではなく、利用者とヘルパー間で良好な人間関係を築くことや事務所の運営方法や理念についても考えるべきなのかもしれません。

 そして訪問介護において職場環境を構築しているのは利用者様であり、ヘルパーさんです。離職率というところまで踏み込んで考えていただく必要はないかもしれませんが、 利用者様はヘルパーに長く働いてもらうために、ヘルパーさんはより長く利用者様と付き合えるように考えることもやはり重要なのではないでしょうか。

 冒頭の方で触れましたが介護職自体の離職率は突出して高いわけではなさそうです。そして原因もある程度わかっています。今よりさらに離職率が下げられるよう、それぞれの立場で考えていただければもっと良い仕事環境が作り出せるのではないでしょうか。

皆様は、どう思われるでしょうか?

次回のコラムもよろしくお願いします。


(三井)



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