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コラム vol.100 2015.7 発行

<第100回>ALSと共に生きて考える : Ⅵ 外出と患者家族会について


長い在宅療養生活が続く中で考えるのは、いかに普通の生活を取り戻せるかにありました。 まず第一は、外出し人と会うこと。自分の能動性をアッピールし病気についての概念を変えさせるのに役立つ。
今まで見えなかった人との繋がりが見えてくる。そのため外出の範囲や目的が広がった。患者家族同士の相互訪問、映画、演劇、コンサート、美術館巡りなど、ジャズレストランやワイナリーにも行きました。また、季節に合わせた2~3泊旅行も定例になりました。

外出の機会が多くなるにつれ沢山の患者家族と顔を合わせ話すようになり、そのつど同病患者さんから活力と勇気を貰っていました。それは厚生労働省の会議室であったり、日本ALS協会の会議や勉強会であったりしましたが。この中で学んだのは患者を癒し元気づけるのは、患者自身なんだと言うことでした。
こんな想いの上で、私は2004年3月に、今は亡き菅野幸男君と一緒に発起人となって相模原市と周辺の患者家族に呼掛け「桜の花を観る会」を催しました。このイベントの企画に協力支援してくれたのが相模原市医師会訪問看護ステーションでした。そのお陰で会は大成功で7組の患者家族と看護師、保健師、ME(医療工学技士)、看護学生、ボランティア、総勢40名を越す盛会でした。

交流会は患者家族が日頃から“ためて”いた介護の苦労や不安などが打ち明けられ、終始涙と笑いに包まれながら患者家族お互い同士の絆を深めることが出来ました。これをきっかけに、この交流会はこれまでに春秋11回も開かれ、回を追うごとに参加者も増え、今や恒例の年中行事として定着しています。今では会の名前も「相模原あおぞら会」とし、7年前の春に開かれた交流会にはALS患者に限らず他の難病や障害者のかた、筋ジストロフィーや脳性マヒの方、それに日頃外出する機会の少ないお年寄りも加わり、参加者数、百人を超える予想もしない規模になりました。5年前は町田市混声合唱団のボランティア参加も実現、素敵な歌声が皆様の感動を呼びました。

毎年4月はその年によって、音楽療法をはじめ歯科衛生士、防災などの専門家に参加してもらっております。そして多くの患者家族からも沢山の感謝の声が寄せられています。今年の春を含めて、既に北里大学の学生さんも何人か参加しておられます。この会に参加された方は、患者家族たちがいかに人との繋がりを求めているか、またそれがみんなをどれほど元気づけるか実感されると思います。ここには病院では得られない心のケアがあると確信しています。これからも春に交流会を開きます。興味のおありの方のご参加を歓迎します。


記念すべきコラムの第100回目は、交流の大切さがテーマになっていたように思います。情報提供を通しての交流を目的とするコラムに相応しい内容だったのではないでしょうか。 次回は Ⅶ 「新しいALS観」を目指して「ケアとはアートである」をお届けします。ご期待ください!(TK)