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vol.106 2016.1 発行

<第106回>ヘタウマ

アートの世界に「ヘタウマ」というジャンルがあります。画の技巧は稚拙(ヘタ)でも味のある(ウマい・魅力ある)作品が「ヘタウマ」な作品と表現されます。テレビでよく見かける蛭子能収さんの漫画は「ヘタウマ」な作品と評価されており、「ヘタウマ」アーティストの典型例です。
作品を「技巧」と「味」の2つの次元で評価すると、

①「ウマウマ」 画の技巧があり味がある。
②「ウマヘタ」 画の技巧があり味はない。
③「ヘタウマ」 画は稚拙で味がある。
④「ヘタヘタ」 画は稚拙で味がない。

との4つに分類できます。
興味深いのは、作品にランクを付けると、一番人気のある作品は

③の「ヘタウマ」で、次が
①の「ウマウマ」、三番目が
④の「ヘタヘタ」、最後が
②の「ウマヘタ」となるそうです。つまり、一番魅力があるのは技巧に凝らずナチュラルに味のある作品で、一番ダメなのが技巧に凝っても味がない作品です。子どもが描く「ヘタウマ」や「ヘタヘタ」な画が大人の描く「ウマヘタ」な画より魅力を感じるのと同じことでしょうか。
 さらに「味」を「才能」に置き換えて表現すると、

①「ウマウマ」 高い技巧を身に着けた才能のある人の作品。
②「ウマヘタ」 高い技巧を身に着けた才能のない人の作品。
③「ヘタウマ」 技巧が稚拙な才能のある人の作品。
④「ヘタヘタ」 技巧が稚拙で才能のない人の作品。

となります。
高い技巧は努力によって得られ、味は才能の影響が大きいからです。とは言え、アートの世界は努力よりも才能が評価されてしまう(ある意味で残酷な)世界と言うことにもなってしまいます…。
上記の話を、かなりの飛躍を覚悟でヘルパーの仕事に当てはめてみると、「絵の技巧」は「介助技術」、「味や才能」は「相手に合わせる能力や共感力」になるのではないでしょうか。つまり、

①「ウマウマ」 高い介助技術でユーザーのペースの介助。
②「ウマヘタ」 高い介助技術でヘルパーのペースの介助。
③「ヘタウマ」 介助技術が稚拙でユーザーのペースの介助。
④「ヘタヘタ」 介助技術が稚拙でヘルパーのペースの介助。

となります。
 アートに準じて介助もランク付けしてみると、

①「ウマウマ」、
③「ヘタウマ」、
②「ウマヘタ」、
④「ヘタヘタ」の順でしょうか?

介助はユーザー(介助利用者)の好みによってランクが変わってきますが、②「ウマヘタ」が最後にならないことで優しい業界と言えるかもしれません。そしてさらに、「介助技術」も「相手に合わせる能力」も努力によって高められる能力です。つまり「努力が報われる」業界ということです。
「ウマウマ」を努力で目指してみては如何でしょう?(TK)