Facebook logo
vol.107 2016.2 発行

<第107回>バリアフリー・ユニバーサルデザイン

以前から比べると街のバリアフリー化が進み、車椅子でも外出しやすくなってきたと感じています。
私は約20年前から町田で暮らしていますが、その頃小田急線町田駅には改札とホーム間にエレベーターがなく、エスカレーターを利用してホームに上がったり改札に下りたりしていました。
下りるときは一度止めたエスカレーターに後ろ向きに乗って後ろで駅員さんが車椅子を押さえ、駅員さんの掛け声で再びエスカレーターを動かして下りたりもしていました。
正直、後ろ向きで車椅子が斜めになったまま下りるのは相当怖く、よくヘルパーさんに顔がかなり引きつっていると言われたりしていました。
他の駅では駅員さん4・5人が車椅子を担いで階段を上り下りするなんてこともあり、申し訳ないやら怖いやらで、その駅を利用しない他のルートによる移動を考えるなんてこともあったり。

しかし、現在では町田駅を始め多くの駅にエレベーターが設置されるようになり、車椅子に乗っていてもスムーズに移動できるようになりました。
又、バスでの移動も以前と比べて大分しやすくなったと思います。
以前は車椅子のまま乗れるスロープが設置されているノンステップバスはあまり多くありませんでした。
そのため、利用できる限られた時間帯のバスに合わせて外出スケジュールを立てたりすることも。
今では、町田市内に走っているバスのほとんどがノンステップバスになり、駅から離れた地域へも移動が出来るようになりました。

好きな時間に好きな場所へ外出する、それが当たり前ではなかった時代。そんな時代を経て交通機関のバリアフリー化も進み、今では車椅子で外出している人を町中で見かけることも多くなってきたような気がします。
しかし、まだ車椅子での外出において困ることもあります。それは、トイレです。
外出しているとトイレに行きたくなることがあります。そういった場合、車椅子対応トイレを利用するのですが、それほど設置場所が多いとは言い難いのが現状です。そのため、外出中にトイレがしたくなると家に戻っているという人の話も聞いたりします。
せっかく交通機関が整備され外出しやすくなっても、行きたい場所の環境が整っていないことにより、外出先が狭められてしまうという場合もあるわけです。

僕の場合、行きたい場所かあるときは事前にその場所周辺に車椅子対応トイレがどこにあるかチェックしたりします。
そうすることで、外出先でトイレがしたくなっても慌てることは減りましたが、離れた場所にしかトイレがなかったりすると、外出ルートを変えたり、外出先でのトイレに行く時間をある程度決めておいたりすることもあります。
  以上のように、交通機関や公共施設のバリアフリー化は、障がい者の外出・社会参加において重要になります。
しかし、最近では「バリアフリー」だけでなく「ユニバーサルデザイン」という言葉もよく耳にするようになりました。
この2つの言葉は、似ているようで意味が異なります。


    ○バリアフリー=お年寄りや障がいのある人といった特定の人を対象とし、生活の支障となる障壁を取り除くこと。
     例:段差がある場所にスロープを設置する

    ○ユニバーサルデザイン=障がいの有無・国籍・年齢・性別を問わず、全ての人が使いやすいものを設計していくこと。
     例:始めから段差のない平らな部屋を設計する


簡単に言うと、「今ある障壁をなくすこと」と「始めから障壁をなくすこと」の違いです。
ベンチやベッド、おむつ換えシートやベビーチェア、オストメイトなどが設置されている多目的トイレ等は、様々な人が使いやすいようにというユニバーサルデザインの考えに基づいて作られたものと言えます。
2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
開催期間には世界中から様々な人たちがやってきます。もちろん、障がいを持った人も大勢やってきます。
大会を成功させるためには、交通機関や公共施設の整備も必要不可欠です。

  バリアフリーとユニバーサルデザインの考えがより社会に浸透することで、誰もが不自由なく快適に暮らせるようになることが、後に健常者と障がい者の間にある垣根を取り除くことにも繋がっていくのではないかと思います。
<TA>



PAGE TOP