Facebook logo
vol.108 2016.3 発行

<第108回>外国人介護士

お天気が不安定な日々が続いていますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?
2回目のコラムになります三井です。今回は「外国人介護士」について書かせていただきたいと思います。

日本はフィリピン、インドネシアなどの国とEPA(経済連携協定)を締結しています。この協定は一般的に外国人の就労が認められていない分野において人的交流を目的として一定条件を満たした希望者に来日してもらい、働いてもらおうという協定です。この協定の一環として介護職についても2008年からフィリピン、インドネシアからの希望者に介護福祉士候補生として来日してもらっています。

来日した介護福祉士候補生は、日本で実際に働きながら介護知識、語学の学習を行い、研修などを経て介護福祉士試験に挑みます。試験に合格すれば日本に永住(在留期間の更新回数が無制限になる)し、介護福祉士として日本で働くことができるようになります。ただし、入国から4年以内に試験に合格できなかった場合、ビザが更新されず帰国させられてしまうという現実もあります。昨年行われた第26回介護福祉士試験では実に78人ものフィリピン人、インドネシア人の介護福祉士が誕生しました。

そしてもう一つ、この協定に期待されていることがあります。それは外国人介護士に働いてもらうことが日本で深刻化しつつある『介護士不足』という大きな問題の解決策になるのではないかという期待です。
国際交流の意味合いもあり、EPA協定によって得られるものは多いように感じますが、問題点も多いようです。外国人介護士に関する記事などからいくつか挙げますと・・・・・・・

  • 言葉の壁を越えることができず、介護福祉士試験の合格率が36.3%にとどまる(全体の合格率が66%。26年度結果)
  • 現場でのコミュニケーションにどうしても不安がある(言語、文化、宗教)
  • 国内の社会福祉士資格保有者の4割が介護職についていない実態を見ずに外国人の介護士で介護士不足を解決するのは違うのではという意見
  • 外国人介護士が低賃金労働を強いられるのではないか?また、その影響で他の介護士団体などで低賃金化が起こるのではないか?
  • 4年以内に介護福祉士になれなかった候補生を帰国させては意欲ある人材を無駄にしていることになるのではないか?
  • 介護福祉士の資格を取得しても日本で働かず、帰国してしまうケースが多い

・・・・・・などです。

問題点を見ますと文化、言語の壁を始め、資格取得後の支援など解決しなくてはいけない問題が多いと感じます。しかし、日本は少子高齢化していく中で2025年には90万人以上の介護士不足になると厚生労働省が試算しています。これらのことを考慮すると外国人介護士の受け入れを含め、何らかの形で介護士不足対策を講じなくてはいけないとも感じます。介護士不足は我々当事者にとっても影響があることです。私はこの外国人介護士を通して介護士不足問題について危機感を持つべきだと強く思いました。

今年も間もなく介護福祉士試験の合否が明らかになり、新たな外国人介護福祉士が誕生します。今後、来日した外国人介護士は日本の介護士不足の改善策になるのか?彼らを取り巻く環境は変わるのか?是非注目していただけたらと思います。(三井)



PAGE TOP