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vol.114 2016.9 発行

<第114回>歩く夢を見る

皆さまお疲れ様です。三井です。変わりやすい天気が続きますが、体調お変わりなくお過ごしでしょうか?

 今回は当事者によくおこる出来事について、私の実体験を交えて書かせていただきます。

今回の題材を書くきっかけとなったのは、私がある団体の定例会に参加した時に私と同じ障害を持った車椅子ユーザーのかたに、なにげなく言われた一言でした。そのかたとは初対面でしたので、名刺交換をおこなったのですが、その際に、「受傷して何年?」と聞かれました。相手のかたは当事者歴が長い、いわゆる先輩当事者だと思われ、私は6年前から車椅子生活なので「受傷して6年目」です。と答えると、「じゃあ、まだ歩ける夢を見るでしょ」と少し笑いながら話されました。
 私にはこの「歩ける夢」について心当たりがありました。しかも一回ではなく、何度も何度も見たことがある夢で、受傷して歩けなくなってすぐの時には、週に二回は必ず出てくる夢でした。
そして、今でも昔ほどの頻度ではないですが、時々「歩く夢」を見ることがあります。

私はその日の定例会の帰り道でずっとこの夢のことについて考えていました。
私と同じ夢を他の当事者も見ることに驚きましたし、私たち以外の当事者にも同じように歩く夢を見るのかどうか聞いてみたいと思いました。
余談ですが、興味本位で夢占いで『歩く夢』と調べてみました出た結果は……
「歩く先=あなたの将来を表しています」でした。…………これってどういうことなのでしょうか?
残念ながら、歩く夢についてがかりを得る事はできませんでした。

翌週、職場で私と同じ障がいを持った当事者スタッフに「歩ける夢」について聞いてみました。すると興味深いことにほぼ全員が「歩ける夢をよく見ていた」とか「走っている夢を見る」と返答し、中には逆に「車いすに乗った自分を夢の中では見たことがない」という当事者もいました。しかも、やはり「受傷後すぐ(急性期)に頻繁に見た」という人が大部分を占め、同じような夢を複数回見たようです。夢は将来や願望を反映するとよくいわれますが、歩きたいという願望が夢に反映されているのでしょうか?
 残念ながらまだまだ未知なことが多い『夢』ですので原因など特定できるはずもないのですがとても興味深い調査結果だったと私は感じました。

さて、話は変わりますが、この夢がもたらす影響についても触れたいと思います。人それぞれ捉え方が違うと思いますが、私は個人的にはこの「歩ける夢」が好きではありません。この夢から覚めた時に「歩けない」という現実が強くのしかかるからです。そのため、気分が沈み、一日のスタートがマイナススタートになってしまうこともあります。しかし悪い影響ばかりではありません。「歩く」というイメージができる数少ない機会でもあるとも、捉えられるからです。現実世界では歩くことができなくなりましたが、夢の中でなら歩くことができているのです。この考え方をすると、歩ける夢を見られなくなるということが残念な気もしますね。

 いろんな事を考えさせてくれる「歩ける夢」。自分にもこんな体験があったと共感される方もいるのではないかと思います。残念ながら夢の事なので、夢を見る原因や、自分に何らかのメッセージ性を持ったものなのか?など、わかるはずもないのですが、今回歩ける夢について「見た」と返答した当事者の多さが、偶然同じ夢を見たということではなく、何か潜在的な事が関係しているのだと私は感じました。
この夢はどのような意味を持っているのでしょうか?皆様はどう思われるでしょうか?

当事者向けになったコラムになってしまい、申し訳ありませんでしたが、当事者あるあるのような感覚で読んでいただけたらと思っております。次回もよろしくお願い申し上げます。(三井)



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