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vol.120 2017.3 発行

<第120回>「障害」「障がい」「障碍」

 皆さまお久しぶりです。三井です。
今回は「障害」という文字の表記について書かせていただきます。

 近年「しょうがい」という文字の表記は「障害」から「障がい」という表記のされ方をするようになりました。
では、「障がい」と「障害」の差は何なのか。また、どういう意味を持つのか書かせていただきたいと思います。

 まずは、「しょうがい」の起源ですが、どうやら、「障碍」という表記から始まっているようです。使われるようになったのは平安時代くらいとされており、碍の意味は「さまたげる・邪魔をする」とされています。
その後、江戸時代の後期に「障害」という言葉が使われるようになります。害の意味は「損なうこと・悪くなること」とされます。さらにその後、使用実態から障害という表記のみが使用されるようになり、障碍は使用されなくなりました。現在でも辞書などに登録されているのは「障害」という表記です。

そして近年「障がい」という言葉が使われるようになります。私もこのコラムでは可能な限り「障がい」という表記を使用するようにしています。使われるようになった理由は、害あるいは碍という言葉が持つイメージの悪さを払拭するためです。害を与える存在であると誤解されることがないように、といったところでしょうか。従って意味合いは「障害」とさほど変わりありません。あくまでどのようなイメージを与えるかというところが問題のようです。

では、なぜ今になっても様々な「しょうがい」の表記があるのでしょうか。近年の風潮を見れば「障がい」という表記に統一すればいいのではないでしょうか。なぜ未だに「障害」の表記が多く用いられるでしょうか。

 その答えは私達障がい当事者の思想の中にありました。平成21年12月に閣議決定され、設置された障がい者制度改革推進委員会によって平成22年に「しょうがい」の表記について検討、調査が行われました。その際に「障がい」という表記に否定的な意見として出てきたのが、「障がい」とはそもそも我々当事者の中ではなく、我々当事者が生きていく世の中に「障がい」があるという意見です。この考え方を持っている人にとっては生きていくうえで世の中には少なからず「害」があるわけですから、「障害」の表記を好んで使用します。むしろ「害」という表記がなくなることによって、当事者にとっての世の中の害が忘れ去られると感じられるようです。

 障害という言葉の差別的な部分に配慮し、「障がい」と表記する人、一方で「障がい」と表記されることで、世の中の害が忘れられる事を嫌い、「障害」の表記を使い続ける人。
この2つの意見から現在も「しょうがい」の表記は統一されずにいます。
 事実この障がい者制度推進委員会の調査では表記の統一は困難であるとして、統一されることはありませんでした。
 そんなこんなで現在各個人・団体で共感できる方の表記を使用しています。ちなみにワードを使って障がいと打つと入力ミスではないですかという意味で勝手に赤い波線が文字の下に引かれます。ワードはどうやら「障害」派のようです。

 私は今回このコラムを書く前までは、とりあえず差別感のない「障がい」表記を使っていれば正解だろうと考えていましたし、障害の表記がされることに常に嫌悪感を抱いてきましたが、現在は必ずしも悪意がある使い方ではないと感じています。皆様も是非、自分の意思表示ということで自分なりの障がいの表記方法について考えてみてはいかがでしょうか?

それでは、また次回よろしくお願い申し上げます。(三井)



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