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vol.123 2017.6 発行

<第123回>いつまで働ける?

在宅ヘルパーを長年にわたり続けておられるNさんに話を伺うことが出来ました。「介助経歴」や「長年ヘルパーとして働き思ったこと」、「ヘルパーの加齢による体力の衰えについて」など、興味深く参考になる話をたくさん聞かせて頂きました。
Nさんは現在52歳、ヘルパー歴25年です。現在は週5~6日、40時間を少し超える程度の勤務をされています。3社の派遣事務所に勤務され、その内1社が常勤ヘルパーとしての勤務です。腰のヘルニアや頚椎症も経験しながら勤務を続けておられます。

Nさんは「最近思うこと」として、

「始めた頃は介助の方法や利用者さんの家事の仕方など、自分のやり方が良いのではないかと思ったりしていたが、現在は利用者さんのやりかたに沿うことが大切だと思うようになった」

「世代や考え方の合う相性の良い利用者さんの勤務は楽しく行えるが、合わない人に無理に合わせると勤務が結果的に続かなくなることもあった」

「考え方も生活のスタイルも色々な人が居ると分かった」

「利用者さんから多くを学んで来られた」

「利用者さんの気持ちを大切にできるようになった」

「他の利用者さんの悪口を言わない方が良いと感じるようになり、個人情報も注意するようになった」

などの話を聞かせてくれました。そして、長年のヘルパー経験から『ヘルパー職は、他人の恥部を見る仕事だとも思う』と言われました。とてもリアルで鮮烈な表現だと思いました。

腰痛は介助職の職業病だと言われますが、Nさんも腰のヘルニアと頚椎症を患いました。腰のヘルニアが原因で、つま先が上がらず歩き難くなることや、頚椎症の痛みで眠れないこともあったそうです。身体に故障があっても事務職よりも現場のヘルパー職が自分に合っていると考えるNさんは「力ではなくコツで介助する」ことを心掛けながら勤務を継続しておられます。
介助派遣業界では「働き手の不足」が問題になっています。

政府の発表では「有効求人倍率がバブル期を超えて高まっている」となっています。しかし、ヘルパーのキャリアと比例して、加齢による体力の低下や身体の故障が増える可能性が高まることは避けようがありません。そして、体力の低下したヘルパーに介助先が見つかり難くなる可能性が高まることも避けようがありません。では、現場のヘルパー職はいつ(何歳くらい)まで続けられるのでしょうか?また、ヘルパーはどんなキャリアを身に着ければ現場のヘルパーが続けられるのでしょうか?体力の低下したヘルパーが事務仕事へ仕事の割合をシフトしていくとの方法も考えられますが、事務だけで十分な収入を得ることは難しいかもしれません。

Nさんも身体の故障が原因で通常勤務が難しくなった時があったそうです。そんな時、身体の故障による介助能力の低下を理解したうえで「勤務を続けて欲しい」と言ってくれた利用者が居たそうです。収入が減らないということだけでなく、「望まれることで頑張れる」と思え「とてもありがたかった」と言っておられました。

 上記のインタビューから私たちは何を学べるでしょう?
ヘルパーは永続勤務に向けて何を備えられるでしょう?加齢による体力低下と身体故障に備えた体力づくりと健康維持でしょうか?体力低下と身体故障が起きることを見込んで「望まれるヘルパー」になることでしょうか?
利用者はヘルパーの加齢にどう対処するべきでしょうか?職務遂行能力の落ちたヘルパーは職を失うのが当然なので、体力のあるヘルパーを選んで雇用すべきでしょうか?自分も加齢による問題は起きるのだからとヘルパーの労働条件に考慮すべきでしょうか?

加齢は『恥部』と同義語でしょうか?あなたは、どう考えますか?(TK)



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