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vol.124 2017.7 発行

<第124回>障がい者の就労

お久しぶりです。三井です。

 今回のコラムは車椅子ユーザーである私が就職活動をしていた中で感じたことについて書かせていただきたいと思います。

 私はこの会社で就労するまでに複数の会社の面接を受けました。
その中のある会社の面接を受けたときの事です。序盤は一般企業の面接と同じような感じで、自分の長所・短所 → 自己PR → 志望動機 という流れで進んで行きました。
志望動機を話し終えると面接の担当者さんが机の下からお菓子が入っていたと思われる長方形の箱を取り出しました。中にはメモ紙サイズの紙が50枚程入っており、それぞれの紙には記号が書かれていました。
 担当者さんから「それぞれ記号ごとにメモ紙が何枚あるかカウントして最終的に同じような形で箱に戻してください」と言われました。
 私は上半身にも麻痺が一部あり、紙をめくるという作業が得意ではありません。いざとりかかってみるとやはり手間取ってしまいました。ストップウォッチをもった担当者の顔を見たらさらに焦ってしまいました。結果はもちろん不採用でした。

  不採用の結果を受けてまず、思ったのは「あの会社はきっと軽度な障がいを持った人しか雇わないのだろうな」とか「あんなテストがあったら手の機能が劇的に良くなるとかしないと採用にならないな」とか「ある意味、障がいを限定しているのではないか」とも思いました。

  数日後、なぜあの企業では、あのようなテストを面接の中に組み込んだのかなと疑問に思い、考えてみました。答えは簡単でした「その企業が求める人材だったかどうか判断するため」です。
私はいつしか就労先に自分が障がい者だから、ある程度優遇してもらって当然だという考えが頭の中にこびりついてしまっていました。今回のケースに置き換えると面接を受けた企業では、手を使う書類の整理などの仕事があるけれども、手の機能が悪いのは障がいによるものだからある程度考慮してくれてもいいのではないかと私は思ってしまいました。

 全ての企業がそうだとは言い切れませんが障がい者雇用の募集を出している企業は、私たちの事を障がい者だから雇用しているのではなく、私たちの事を会社の戦力になると思っているから募集しているのだと思います。
今回のテストの結果、私のことを企業側は障がいの面も考慮して、はっきりした言い方をすると戦力にならないと判断したのだと思います。
 私も障がい者だから企業に雇ってもらいたかったのではありません。その企業の戦力になりたいから、面接を受けようと思いました。そう考えると不採用になったのも妥当な結果だったのではないかと感じました。

 それに、もしも私があの面接を受けた企業に「手の機能がちょっとみんなに比べて劣るけど仕方ないね、採用しよう!」と言われたと想像します。いざ仕事を始めたところで周りの作業スピードに置いて行かれ、ただ劣等感を感じるだけで、とても長く定着して働けるとは思えません。

 この経験を通して感じたことは、たとえ障がい者雇用枠で就労したとしても、いざ働くとなったら、障がい者も健常者も同じ社会で働くことになり、働く以上は貢献できる何かを行わなければいけないということを感じました。そして障がいの事も含めて貢献できる人材かを面接などによって企業に見極められることはごく普通の事だと感じました。

 現在、障がい者の就労について、法定雇用率の改正などの法整備が行われるようになってはきましたが、就労先がまだまだ少ないなどの問題は数多くあると思います。
一方で私達就労する側も、就労を目指すからには、健常者と同じ社会に出て働くという意識が必要だと感じましたし、就労する時には障がいに対して優遇されることを望むのではなく、 障がいがあってもやれることや障がいがあるからこそできることを自らアピールしていくことが大きな意味を持つと感じました。皆様はどう思われるでしょうか。
次回のコラムもよろしくお願い申し上げます。(三井)



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