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PAM通信モバイル版

コラム

vol.60 2012.3 発行

<第60回>目指すは格好いい大人に

今月のコラムは、PAMの新人ユーザー・スタッフのTAさんに書いてもらいました。

通りすがりの人たち。会ったばかりの人たち。
距離もつかめない状態で、話すのは勇気がいるけれど、気持ちよく話せる人間でありたい。そう思う。
お初に任せていただいたコラムで、だからまずは、一言。
「こんにちは!」

ご挨拶を終えたところで、この文章を書いている“私”の話を、ちょっとだけしよう。
恥ずかしいことに自分自身、高校のホームルームで担任に紹介されるまでは知らなかったのだけど、私には「脊髄性筋萎縮症Ⅱ型」という、やたらと画数の多い障害がある。
病名だけではなにがなにやら、つまりは筋肉が弱くなる先天性の障害のことだ。
物心がついたときから、私が車椅子で暮らしていたのは、それが原因。
ゆえに私は自分の力で歩くことができず、ペットボトルの蓋を開けることすらできず、それでも周りの手を借りながら、健常者に交ざって通常学級に通っていた。
障害者なのだから、養護学校に行けばいいという意見もあったけれど、健常者とも友達になりたかった私にその選択肢はなかったのだ。
大学の卒業を控えたときにもその考えに変わりはなくて、このまま一般企業に、なんて、意気込んで就活していたのを覚えている。

壁にはすぐ、ぶち当たった。

筋力のない私は遠方の面接会場に行くだけで疲れてしまったし、自分で履歴書を取り出すことができなかったし、障害者雇用担当の人事の方などは戸惑いの笑顔を浮かべていた。
能天気な私は、そこで初めて気づいたのだ。障害を抱えて社会で生きていくことの困難さに。まったくもって、遅いのだけど。
それから私は、自分のことについて、障害者の生き方について、興味を持った。
重度の障害を持った他の人たちは、どのようにして働いているんだろう?
どのように自立して、社会に関わって、暮らしているんだろう?
気になったら行動あるのみと、大学院に通う傍ら、たくさんの方に話を伺って回った。

私と同じ重度の障害を抱えながら、自立生活を送っている――パーソナルアシスタント町田の代表取締役、安藤さんに出会ったのはそんなときだ。
早速、障害者の生き方について、前述した疑問をたずねると、安藤さんは笑って答えた。
「いくつか方法はあるけど。僕らがやっているのは障害を持った当事者が、自らヘルパー派遣の事業に取り組んで、自立生活を送る、というのだよ」
デンマーク、オーフス市発祥のパーソナルアシスタント制度。
安藤さんの仰っているような活動が海外にあることは以前より知っていたけれど、日本でも同様の理念で活動しているところがあることに、私はいたく感激した。
なぜって、自らの障害を把握し、必要なサポートを責任持って管理することで自立生活を送り、それで社会への関与が困難な障害者のフィールドを拡大できるなら、それほど素敵なことはない。
海外で切り拓かれてきた道に、この日本でも、挑戦できるかもしれないのだ。
安藤さんにお話を伺い、縁あってこうしてパーソナルアシスタント町田の一員になれた私は、だからやる気で燃えている。

まだまだ新米で、覚えること、教えられることが多いけれど。
たくさん吸収して障害者のフィールドを拡大させられるような自立した障害者に、格好いい大人になりたい。
これが私の当面の目標だ。

皆様、よろしくお願いいたします!(TA)

如何でしたか?私はこの文章を読んで、とても清々しい気分になりました。そして、TAさんの未来に限りない可能性を感じました。TAさん「格好いい大人になって活躍してくれることを期待していますよ!」(TK)