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コラム

vol.66 2012.9 発行

<第66回>自覚と団結力


コラム担当のTAです。
今回は、第62回のコラムにあった電動車椅子サッカーというスポーツがどういったスポーツなのかご紹介したいと思います。

□電動車椅子サッカーとは
電動車椅子サッカーはアメリカなどで行われていたパワーサッカーというスポーツをヒントに、80年代に障がい者スポーツとして日本で考案されました。現在では、全国に40チーム近くのクラブチームがあります。
以前は、重度の障害を持っている人が行う障がい者スポーツとなると限られていました。
しかし、電動車椅子サッカーは電動車椅子に乗ることさえ出来れば、誰でもプレーすることが出来ます。例えば、障害により手を動かすことが出来なくても、ジョイスティック型のコントローラーを顎や足などを使ってプレーしている選手もいます。
又、電動車椅子サッカーは男性・女性・年齢の区分けがありません。同じチームに男性・女性もいれば、還暦を迎えた選手・小学生の選手もいます。どんな人でも一緒になってプレーすることが出来るのが電動車椅子サッカーの最大の特徴であり、大きな魅力の一つです。

□ルール
電動車椅子サッカーとは足を使わないサッカーです。
足の代わりに電動車椅子の先端に専用のフットガードを付け、直径約36㎝のボールを操り、バスケットボールと同じ大きさのコートでプレーします。(サッカーと同じくタッチライン・ゴールエリア・ゴールラインなどがあります)
プレーヤーは1チーム4人、キーパーもいますがゴールを守るだけでなく、戦術によっては攻撃の中心にもなります。
試合時間は、前後半20分ハーフ。(ハーフタイムは10分)
選手の乗る電動車椅子のスピードには制限があり、国内ルールでは6km以下と決められています。

□国際化
電動車椅子サッカーは新たなステージとして、国際化が進んでいます。
世界では電動車椅子サッカーを「パワーチェアーフットボール」と言い、統括団体であるFIPFA(国際電動車椅子サッカー連盟)には10カ国以上(日本・アメリカ・フランス・イングランド・オーストラリアなど)が加盟しています。
又、国内ルールと国際ルールではいくつか違いがあります。最大の違いは電動車椅子のスピードです。国内ルールでは6km以下となっていますが、国際ルールでは10km以下となります。

4kmの違いと侮ることなかれ、10kmになると体感スピードは自転車のようなスピード感に。コートで繰り広げられるプレーもがらりと変わります。
10kmの電動車椅子が繰り広げるプレーはまるでフットサルのよう。パス・ドリブル・シュートなど、迫力のあるプレーが展開されます。
2007年には初のワールドカップが東京で開催され、アメリカ、ベルギー、フランス、デンマーク、イングランド、ポルトガル、日本の7か国が参加し、日本は4位。2011年はフランスでワールドカップが開催され、日本は残念ながら5位となり、ワールドカップを掲げることは出来ませんでした。

そして、いよいよ2013年1月19日から第1回アジア太平洋オセアニア選手権(APOカップ)がオーストラリアで開催される事が決まり、初のアジアカップでの優勝を目指し、新生日本代表が始動します。
もちろん、世界はレベルが高く簡単にはいかないでしょう。
しかし、日本には世界に誇れるものが一つあります。それは団結力です。
日本代表は普段全国各地のクラブチームでプレーしている選手が集まり結成されますが、そのため全員が集まって練習をするということがなかなか出来ません。

でも、いざ選手たちが集まった時の日本代表はいつも一緒にプレーしているのではと錯覚するほど見事なコンビネーションプレーを披露し、どんなに劣勢に立たされても最後まで諦めることなく全力で戦います。
なぜそれが出来るのか?ある選手に聞いてみたことがあるのですが、その選手は日本代表選手としての自覚を持っているからと言っていました。地域もバラバラで顔を合わすことが少なくても、みんなが日本代表選手として普段から自覚を持って練習・プレーをすることで、いざ全員が集まってもチームとしてぶれることがない。そして、自覚を持った選手たちが集まることにより、団結という大きな芯がチームの中に生まれるとのことでした。そのアスリートとしての意識の高さに驚くと共に、日本代表選手としての誇りも根垣間見えた気がしました。

世界という大きな壁を団結力で打ち崩し、優勝トロフィーを掲げる日本代表をぜひ見たいですし、その姿を間近で見られるよう一プレーヤーとして日本代表選手入りを目指し、私も頑張りたいと思います。(TA)