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コラム vol.69 2012.12 発行

<第69回>急がば回れ


今回のコラムは社員インタビューの予定でしたが、コラム担当者が体調不良のため、今回はTAが担当いたします。

先日、ある人から自分の性格で直したいと思うところはありますか?と聞かれました。 ふと考えてみると、すぐに両手の指では足りないくらい思い浮かんだのですが、特にこれはと思ったのが、優柔不断な部分でした。 普段から、いざ選択を迫られたときに、どちらにしようか迷ってしまい素早い決断が出来ず、いざ選択したことが結果的に失敗に終わってしまったなんて事がよくあります。 例えば、買い物の時に欲しいものが見つかって財布と相談しながら買うか買わないか迷っていたら売り切れてしまったり、曇り空の日に雨具を持っていくかいかないかで悩み、ちょっとの時間だからと持っていかないで出掛けたら案の定雨に降られたりなど。

自分がプレーしている電動車椅子サッカーでは、判断の迷いがプレーに大きく影響を及ぼしてしまうことがあります。 電動車椅子サッカーでは国際ルールの大会の場合、時速10㎞の電動車椅子がバスケットボールと同じ大きさのコート内を縦横無尽に動き回ります。 当然蹴られたボールの動くスピードはそれ以上になるので、読みや素早い判断というのがとても重要です。一瞬の判断の遅れが命取りというシーンも多々あります。

選手はボールが自分の所に来たときに、ドリブルをするのか、Aの選手にパス、Bの選手にパス、セーフティーにクリアするetc、たくさんの選択肢の中から選択をしなければなりません。 ところが、僕の場合いざボールが来るとどれを選択するか迷ってしまい結局、相手にボールを取られるということをよくしでかしてしまいます。自分でも迷うことなく素早い判断を心掛けているのですが、なかなか難しいものです。 そんな僕でもプレーの選択をする際、重要視していることがあります。それは、いざ攻撃というときにどの選択が一番ゴールに近づけるのかということです。

電動車椅子サッカーも当然点を取らなければ勝てません。互いのチームが得点を取るためにしのぎを削ります。そういったことから、僕はボールが来た時の瞬間の状況で判断してプレーを選択しない場合があります。 例えば、その瞬間はゴール前にいるAの選手がフリーになっているので、その選手にボールを出した方がいいように思えても、それは相手もわかりきっているので当然Aの選手にプレッシャーを掛けようと意識し準備をしています。要はわざとフリーにしていてパスを出す的を絞らせ、ディフェンスをしやすいようにするわけです。

そういった場合、Bの選手がドリブルのうまい選手で、もしマークが厳しくパスをカットされるリスクが高くても、そこにボールをうまく出せれば相手も逆を突かれ動揺し、逆にAの選手はフリーになっているので、ボールを持ったBの選手はパスのだしどころが増えることになり、Aの選手へのパスか得意のドリブルといったプレーの選択が増えて相手ディフェンダーが的を絞れず迷うので相手を崩しやすくなり、結果的に得点のチャンスが大きくなるわけです。

もちろん、迷いすぎて失敗をしてしまうこともありますが、得点が出来ればゴールへ繋がる選択だったということにもなるのです。 逆に、例えチームメイトがボールをもらったときに自分と異なる判断をしても、その選手の判断を尊重しますし、その選手の判断が自分のプレーの参考になるときも多々あります。そして、失敗しても誰も責めません。その時にボールというプレーの選択権を持った選手が主役であり、選手はチームのために判断というチャレンジをしているということが、普段の練習やコミュニケーションから選手全員に浸透し理解し合えているからです。  つまりはそれが互いのプレーを認め合うことに繋がっていると思います。そういった意思疎通がないと、無責任で独りよがりなプレーヤーということになってしまいます。

置かれている状況や何のための選択かによって、なにを選択するかは変わりますし、同じ状況下でも人によって選択は異なると思います。 でも、例えその状況ではマイナスの選択だったように思えても、実はその選択は将来的にいい結果を生み出すということは日頃の生活でもあるような気がします。 時と場合によっては、結果を恐れず、今だけでなくその先を考え、周りの人のことも理解しながら、判断していくことが、現状を打破できる遠回りのようで実は近道だったりする場合もあるのではないかと思います。 そう考えると、時には物事をじっくり考えることも必要だと思うので、僕はやっぱり優柔不断のままでいいのかなと思ったりしてしまうのでした。(TA)