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コラム vol.70 2013.1 発行

<第70回>社員インタビュー 第4回:資格講習担当


2013年、初春のお慶びを申し上げます。
昨年は当コーナーをご愛読くださり、誠にありがとう御座いました。
恐縮ながら、私、戸津は体調を崩して社員インタビューをお休みさせていただく失態をしでかしましたので、今年はきちんと連載ができるように心して臨んでまいりたいと思います。
もっともっと皆様に、現場の魅力をお届けすべく尽力させていただきますので、よろしくお願いいたします。
さて、新年最初となる第四回目のインタビュー対象者は、このコラムにも寄稿経験のある小田嶋さんです。ヘルパーのお仕事、サービス提供責任者や資格講習の講師、そして相談員のお話など、遊び心も交えつつ真摯に語っていただきました。
連載初となる女性スタッフのインタビュー、どうぞご覧ください。


/はじめに、パーソナルアシスタント町田でお仕事を始めるようになった経緯を教えてください

友達経由ですね。
8年前、お芝居をしていた頃に、この事業所でヘルパーをしていた演劇の友達がいたんです。
きっかけは、その友達が安藤社長を紹介してくれたこと。私はヘルパーとして、1日5時間の勤務に週2回ほど入るようになりました。その時間がちょっとずつ増えて、いつの間にか今に至った感じです。

/初めから志していた職業ではなかったのでしょうか

この業界に抵抗なくは入れたのは、母がヘルパーをしていた関係で、仕事内容がなんとなくわかったからですね。福祉を志していたとか、専門の学校を出たとかではなくて、最初は本当にアルバイト感覚でした。そのうち仕事の時間が増えてきて、お芝居の稽古と仕事、どっちを休むか?という選択をすることになるんですけど。
その頃にはヘルパー業務の楽しい面が見えてきていたので、仕事を優先したんです。
それでも、明確な考えもなくこの業界に入った私が本当にこの仕事でやっていけるのか、迷いは消えずにありました。だから、すぐには道を決めずに、しぶとく遊んでいたりして。
迷いが消えたのは3年ほど前。介護福祉士の資格を取ったときです。
いい年齢だしこの仕事に腰をすえよう、と思いました。

/やってみていかがでしたか

緊張しました。本当に。
初めての面接で安藤社長と1時間くらい喋ったあと、演劇の友達を含めて一緒にお鍋を食べたんです。もう採用してくれるってわかっていたので和んでいたはずなんですけど、家に帰ったら寝込んでしまった。なぜかと言うと、障害を持つ方と一緒に長時間いた経験が少なかったから。無自覚に失礼な発言をしていないか気掛かりで、緊張してしまったんです。
介助し始めたときも、どこを触ったら痛いのかが、わからないじゃないですか。怪我させたらどうしようと、考えては汗をかくんですよ。まだ若いから料理も下手で、きんぴらが辛くなっちゃったりもしましたし……。動揺することがいっぱいありましたね。
長い時間を共に過ごしてきた今だったら、少しはユーザーさんのことをわかっている。もちろん家族の間柄じゃないし、友達の間柄でもない。ヘルパーとユーザーさんの関係なんですけど、私が家の中に溶け込めているときもあるんです。慣れなのか歳なのか、図太くなってきている節もあるんですけど。 安藤社長に「(車椅子だから)全然、靴汚れないなぁ」なんて言えちゃいますしね。
今から新しいお宅に入ることになったらまた私は、緊張するのかもしれない。
ただ、“ユーザーさんの生活のお手伝いをして、報酬をもらう”というお仕事のシンプルさは、肌に合っているんですよね。

/仕事の担当内容をお教えください

私の仕事の大半はヘルパー業務です。
ヘルパーとして数人のユーザーさんのお宅に入って、ときには夜勤もして。
合間、合間に、サービス提供責任者や、資格講習の講師、相談員をしています。

まず、“サービス提供責任者”について。
これは、会社とユーザーさん、ヘルパーさんの間に立つ連絡係みたいなものかな。
ヘルパーさんの勤務記録や雇用契約書などの様々な書類をユーザーさんから受け取り、確認の後に会社へ渡す――これがサービス提供責任者の主な業務ですかね。そうして各お宅のヘルパーさんたちをまとめています。PAMでは介護福祉士の資格がないと、サービス提供責任者になることはできません。

そして、“資格講習の講師”について。
これは、身体障害者のヘルパーとなるときに必要な資格、“重度訪問介護従業者”の養成研修のことです。PAMは都から養成研修(資格講習)の可能な事業所として認定を受けていて、通信制で行っています。「資格は持ってないけど今から働きたい」とPAMに来た人が主な対象。その人たちに資格を取って働いてもらっています。講習期間は2週間。そこで実習を受けてもらって資格証を発行します。

最後に、“相談員”についてですね。
PAMには4人相談員がいて、ヘルパーさんやユーザーさんからの苦情相談を受け付けています。私のところに入ってくるご相談はヘルパーさんからのものが多く、始めたばかりの仕事のお悩みなどを聞かせていただいていますね。

/お仕事のスケジュールをお聞かせください

サービス提供責任者としてだと、月初めに各お宅の書類を集めて(間違いがないか)計算するっていう仕事があります。年に2度ほどサービス提供責任者の会議もしています。
資格講習は不定期ですけど、来年度も資格講習業務を続けるために、都に提出する申請書類を作ります。これは1月中に。そして4月に、講習の報告書類やアンケートの集計をまとめて提出する感じですね。

/他の社員との連携はどのように行っていますか

連携となるとサービス提供責任者の仕事でしょうか。この仕事ではヘルパーさんに連絡事項がある場合、メールの一斉送信を利用します。でも電話を使った連絡もたまにします。年に2度のカンファレンスでは、顔を合わせての情報交換もしています。
また、ユーザーさんから受け取った書類のうち、同意書や契約書などは事務局長の三上さんに通して再度確認してもらっています。

/仕事をしていて楽しいこと、苦しいことをお教えください

そうですね……。楽しいのは、ユーザーさんのサポートがうまくできたとき。
「きっとこれやりたかったんだろうなあ」ということをお手伝いできたときとか、ささやかですけど頼まれた料理がうまくできたときとか。
あと、あるユーザーさん宅では、ある程度の仕事が終わったら「タモリ倶楽部」を見るんです。すごくおもしろくて2人でゲラゲラ笑っていますね。
そんなふうにユーザーさんのサポートがうまくできて、いい距離感でいられることが楽しいです。
苦しいことも同じような感じで、距離感がうまくいかなかったりだとか、ちょっとした食い違いで誤解されてしまったりだとか、したときかな。
あとは体力がないので疲れてくると……。ユーザーさんが頼みづらいだろうなって。
何でも「できます」って動きたいのに、体力も気力も削がれてヨロヨロしてしまうんですよ。
ユーザーさんに「ビタミン買ってあるから」なんて気遣われたりする始末です。

/お仕事とプライベートで、これから実現させたいことはありまですか

来年25年度から、資格講習の規模が少し大きくなる予定なので、それを整えていかないとと思っています。
PAMの外部の方も含めて、たくさんの方が資格講習を受けられるように、ですね。
あとは今まで通り、ユーザーさんのサポートをうまくやっていけたらなあと思います。
体力の強化も含めて!
プライベートでは……、うーん。全然思いつかないなぁ。
同い年の男性ヘルパーは「家を買う!」なんておっきな話をしていたりするんですけど、私はそういう願望が全くないから、ささやかに猫を飼いたいですね。

/自立生活を目指す人たちにアドバイスをお願いします

アドバイスなんてとてもできないですけど、毎日入れ替わりで何人ものヘルパーが来るわけだから、ユーザーさんは頼むのも疲れてくると思うんですよね。慣れているとはいえ。
だから私はいつも気配を消せたらいいなって思うんですよ。まぁ、物理的には無理なんですけど。
楽しく会話したりしているときはいいんですけど、ユーザーさんがひとりになりたいときとかに。
でも多分、最近の私なら、半分くらいは気配を消せているかも。静かーにしていて「いたの?」って。

それと……、この間、読んだ障害者さんのインタビューに、「自立とは依存できる場所をたくさん持つことではないか」って書かれていて。それがちょっと私には新しい発見。
私もひとりで生活していますけど、そういう意味では自立しているかどうか、微妙だな~、と。
風邪のときなんかに友達に助けてもらったり、病院に頼ったり……。依存できる場所、方法をいっぱい持っていることが、上手く暮らしていくコツなのかな、と思います。

/ユーザーさんとはどのように関係を築かれていますか

慣れない頃は、ヘルパーをする私も緊張しますし、ユーザーさんも緊張されると思うんですよね。
そこでまず気をつけるのは、頼みやすい雰囲気にすること。うっかり怪我させないようにすること。
それと、とにかく私は、距離感を大事にしていますね。
馴れ馴れしすぎずに、でも、遠すぎずに、そんな距離感でいたいとは思っています。

/パーソナルアシスタント町田の変化について、お教えください

PAMができた1ヶ月後から会社を見てきましたが、最初の事務所は暗くて狭いワンルームのマンションで。スタッフが1人来たら1人が帰らなきゃいけない状態の中、コツコツと仕事をしていたんですよね。今の事務所に引っ越してからまだ2年とちょっとですけど、いつの間にか規模が大きくなって職場にスタッフも増えて。これまではあまりの狭さにスタッフ同士の交流ができず、話し合いや会議をするにも、宴会場を借りるしかなかった。それが変わりましたね。
普段から「この問題はどう思う?」と聞きあうこともできますし、それでスタッフ間の関係が深まっています。

/他の職場とココが違う!というものはありますか

私はPAMしか知らないので、他と違うかは想像も入ってきちゃうんですけど……。
PAMの場合、できれば一人暮らしをしたいと考えているユーザーさんが大半で、すごくはっきりと意思を持っていらっしゃるんですよね。
だから、ヘルパーさん主導じゃない。ヘルパーさんは、ユーザーさんの生活を影ながら支える存在です。
失敗しそうな危ない要望だとしても、それがユーザーさんのしたいことなら、う~ん?と思いながらも手伝う立ち位置にいる。大げさに言ってしまえば、怪我する寸前で止めよう!くらいの気構えなんです。

/休日の過ごし方をお教えください

睡眠不足を補って、本を読んで。あとは友達と飲みに行きます。
そうそう! もうひとつ、休日の過ごし方で好きなことがありました。
最近はちょっと寒くて行けないんですけど、猫と戯れることです。家から歩いてすぐの場所に多摩川があって、そこにいるんですよ。すごい数の野良猫が。さきいかとビールを持って川岸に座ると、猫が寄ってきて、ハーレムみたいな気持ちになれるんです。
同僚に話したら「それおばあちゃんがやることだから」なんて言われましたけど。
そこには私の他にも、猫おじさんと猫おばさんが絶えず来ています。アジの生魚なんかを気前よく配っているから、猫もふくふくしていて。猫に与える餌とビールを持った人が等間隔に並ぶこともありますね。安上がりな猫カフェって感じで結構おもしろいですよ。色んな人がいて。
浮浪者の人が猫に小屋を作ったり、周りの掃除をしたりしていることもありました。
「こないだ獣医につれて行ったんだよ。避妊手術でさ」
「あの猫、最近ケガしてますよねぇ」
なんて会話をその人たちとしていると、「暗くなってきたから、お嬢ちゃん帰りな」とか言われて。私ってまだお嬢ちゃんなんだ……、とニヤニヤしながら帰ったり。帰り道は、居酒屋の前によくいる白い猫が今日はいるかなあとか思いながら、猫の通りに沿っていくんですけど。……これ、30代のひとり暮らしの女子って感じですよね。
でも、それがすごく楽しい。川のそばに住んでいてよかったです。

/お好きな本を教えてください

本は、自己啓発と歴史物以外は、すごく雑多に読みます。
ぱっと思い浮かぶ好きな本は、楳図かずおの「おろち」という漫画。昨年、五巻全部そろえました。
人間の嫌な部分……、こうなったら嫌だなあと思うところをすっぱり描いていて、凄い才能だなと。
あと、石井光太の貧困学の本は、読んで強く印象に残っています。

/最後に、次にインタビュー予定の阿部さんをご紹介してください

阿部さんは強面ですが優しく、センスが良い人。PAMとPAS――この会社のHPを作る仕事をしています。
そしてなんと言っても、ラーメン博士。町田のラーメン屋のことなら大体、知っているんじゃないでしょうか。ラーメン情報を聞くなら阿部さんですね。 映画や本にも詳しいので、私はよくお薦めを紹介しあっています。
おもしろい方だから、色々と聞いてみてください。


小田嶋さん、ありがとうございました。次回のインタビューは二ヵ月後になりますので、皆様、楽しみにしていてくださいね!