パーソナルアシスタント町田
vol.109 2019.6 発行

食中毒について資料作成 草野 裕子

★食中毒とは?

  • 食中毒は「食品に起因する胃腸炎・神経障害などの中毒症の総称」と定義されており、多くは、急性の胃腸障害(嘔吐、腹痛、下痢などの症状)を起こします。食べ過ぎ・飲み過ぎでお腹が痛くなったり、下痢になることもありますが、これは食中毒とは言いません。 食中毒は、有害な微生物や化学物質を含む飲食物を食べた結果生じる健康障害のことを指します。
  • 食中毒は、その原因になったもの(病因物質)によって、大きく3つに分類されます。
    • 細菌性食中毒
      食中毒菌に汚染された食品を食べることで発症する食中毒を、細菌性食中毒と言いますが、発症の機序の違いによって「感染型」と「毒素型」に分類されます。
      「感染型」は、食品内で一定菌数以上に増殖した原因菌を摂取し、腸管内で感染することによって発症します。
      「毒素型」は、食品内で原因菌が増殖する際に毒素を産生し、その毒素を食品とともに摂取することによって発症します。
      また、摂取した菌が腸管内で増殖する際に毒素を産生し、その毒素が原因で発症するタイプ(ウェルシュ菌や腸管出血性大腸菌)を「生体内毒素型」と分類する場合もあります。
    • ウイルス性食中毒
      厚生労働省の食中毒統計では、ウイルス性食中毒のうちほとんどが「ノロウイルス」によるものです。
      ノロウイルスは食中毒と感染症の両方を引き起こすウイルスです。食中毒においても、ノロウイルスに汚染された食品だけでなく、感染したヒトの手指などを介して食品に付着する二次感染が増えています。
    • 寄生虫による食中毒
      食品には、いろいろな種類の寄生虫が存在することがあり、中には人が食べると激しい痛みや嘔吐などの症状を起こすものもあります。

★食中毒の症状は?

  • 食中毒の代表的な症状は、腹痛、下痢、嘔吐といった胃腸障害や発熱。症状の激しさや、食事から発症までの時間は、原因物質によって異なります。

    どの症状も食中毒特有の症状というものはありません。そのため風邪などに間違われることがよくあります。しかし、食事後、数時間してからこうした症状が起きた場合、食中毒が疑われます。

    「食中毒かな?」と思ったら、脱水症状を起こさないように水分補給をすること、吐き気や嘔吐がある場合は吐きやすいように横向きに寝かせることが大事です。 仰向けではなく横向きに寝かせるのは、吐いたものが喉に詰まるのを防ぐためです。特に、乳幼児や高齢者の場合、吐いたものが口の中にあれば、薄いビニール手袋などをしてかきだしてあげましょう。

    下痢が続いた場合、下痢止めの薬を飲みたくなるかもしれませんが、自己判断で市販薬を使うのはおすすめできません。食中毒の原因である細菌やウイルスが体外に出るのを邪魔し、症状を悪化させてしまうことがあるからです。同様に、市販の解熱鎮痛剤なども使わないほうがいいでしょう。
    ただし、下痢が1日10回も続く、血便がある、あるいは、激しい嘔吐や呼吸困難、意識障害などの重い症状がみられる場合は、医療機関を受診してください。

★食中毒の予防法は?

  • 食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。

    また、ウイルスの場合は、食品中では増えないので、「増やさない」は、当てはまりません。ウイルスは、ごくわずかな汚染によって食中毒を起こしてしまいます。ウイルスを食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんのこと、調理器具、調理環境などの調理場全体がウイルスに汚染されていないことが極めて重要になります。 そのようなウイルスに汚染されていない調理環境を作るには、調理場内にウイルスを「持ち込まない」、仮に持ち込んだとしても、それを「ひろげない」ことが大切です。即ち、ウイルスによる食中毒を予防するためには、ウイルスを調理場内に「持ち込まない」、食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」、 食べ物にウイルスを「つけない」、付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」という4つのことが原則となります。

    その基本的な方法は、次のとおりです。
    • 食中毒の原因菌は
      1. つけない=洗う!分ける!
        • 手には様々な雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のような時は、必ず手を洗いましょう。
      2. 増やさない=低温で保存する!
        • 細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、-15℃以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。 なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。
      3. やっつける=加熱処理!
        • 殆どの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。

          ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。
    • 食中毒の原因ウイルスは
      1. 持ち込まない=健康状態の把握・管理!
        • 調理者等が調理場内にウイルスを持ち込まないためには、ウイルスに感染しない、感染した場合には調理場内に入らないことが必要です。そのためには、日頃から健康管理や健康状態の把握を行い、嘔吐や下痢の症状がある場合などは調理を行わないようにしましょう。
      2. ひろげない=手洗い、定期的な消毒・清掃!
        • 万が一、ウイルスが調理場内に持ち込まれても、それが食品に付着しなければ食中毒に至ることはありません。こまめな手洗いを行いましょう。また、ふきんやまな板、包丁などの調理器具は、洗剤でよく洗った後、熱湯消毒を定期的に行いましょう。

★最後に

  • 食中毒は、一年中いつでも発生する疾病ですが、気温が高くなる時期は食品の扱い方がとても重要になります。
    こまめに正しい手洗いを行うことも大切ですが、食材の扱い方や保存の仕方、調理の仕方など、充分に注意するようにしましょう。

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