パーソナルアシスタント町田
vol.111 2019.8 発行

長時間労働について資料作成 草野 裕子

★長時間労働とは?

  • 具体的に、何時間以上が長時間労働に該当するという決まりはありません。しかし、労働基準法による労働時間は、1日8時間、1週間に40時間と定められています。これを超えて勤務する場合は、企業と労働者の間で、労働基準法36条による協定(「36協定」)を結ぶことが義務付けられています。

    この協定を結ぶことで、1か月に45時間、2か月で81時間、3か月で120時間、1年で360時間を上限にして、残業を行っても良いとされています。そして、1年の半分を超えないなど、条件付きでさらに長時間の労働を認める協定を結ぶこともできます。

    なお、厚生労働省では、平成29年1月、1か月あたり80時間を超える残業があった事業所などに対して監督指導を行いました。このことから、継続して月45時間以上の残業がある場合や、80時間を超える残業がある月がある場合などは、長時間労働に注意が必要だと考えて良いでしょう。

★長時間労働のリスクは?

  • 長時間労働を続けた場合は、どのようなリスクがあるのでしょうか長時間労働を行った場合のリスクは主に以下の3つです。
    • 心身の不調(精神障害・自殺、不眠、胃十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、腰痛、月経障害など)
    • 過労死(脳・心臓疾患)
    • 業務効率の低下(事故・ケガ)
    長時間労働を行うことは、1日に必要十分な休息時間を確保できていないことを意味しています。そのため、仕事による疲労が蓄積されることになり、心身に不調を来すことにもなりがちです。

    また、長時間労働が続くと、脳や心臓の病気につながり、それが原因で命を落としてしまうリスクが高くなります。うつ病などの精神疾患を患ってしまうと、自殺など自ら命を絶ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

    十分に休息を取ることができていない状態では、頭が回らなくなって、単純なミスが増えるなど、作業効率が落ちてしまいます。作業効率が落ちると仕事が終わらず、また残業という負のループに陥ってしまうため、どこかで一度リセットすることが大切と言えるでしょう。
  • 厚生労働省では、全国の事業主や労働者に対して、時間外労働や休日労働が1カ月あたり45時間を超えてくると健康障害のリスクが高くなるという注意喚起を行っています。また、特に時間外労働や休日労働が「1カ月あたり100時間超」、もしくは「2~6カ月間の平均が80時間超」の場合は、脳や心臓疾患との関連性が高くなるという見解を発表しています。

    労働安全衛生法では、労働者の身体的または精神的健康を維持するために、医師による面接指導を義務化しています。その面接指導の基準とされているのが、時間外労働や休日労働が「1カ月あたり100時間超」、「過労の蓄積が認められる」、「本人から申出」の3つの条件が全て揃った場合です。

    このように「〇時間を超えたら長時間労働に該当する」という明確な定義はありませんが、だからと言って長時間労働が全て認められているわけではないので注意しましょう。

★長時間労働についての注意点

  • 社員の健康を守るために、厚生労働省が定めた「労災認定基準」という法律があります。基準を超えて労働し、その結果、過労死したり、健康を害した場合に「仕事に原因があった」と労災認定されやすくなります。
    • 過労死基準とは「これに該当すると、脳・心臓疾患を発症する可能性が高くなる」と厚生労働省が定めている基準のことです。

      1ヶ月の残業時間が80時間を超えている(1ヶ月の労働時間が253時間前後ある)という月が、2ヶ月以上続いている場合「過労死基準」に該当します。さらに、過労死基準には、「健康障害が発症する前の1ヶ月間に100時間を超えている」という基準もあります。
    • 精神疾患に関する労災認定基準というものもあり、心理的負荷の強くなる労働時間を定めています。

      月の残業が160時間、労働時間の合計が333時間前後になる場合「精神疾患発症の可能性が高い」という長時間労働の基準があります。
      • 精神疾患の発症前の1ヶ月に160時間以上の残業を行なった
      • 精神疾患の発症前の2ヶ月間連続して、月120時間以上の残業を行なった
      • 精神疾患の発症前の3ヶ月間連続して、月100時間以上の残業を行なった
  • 雇用者側に任せたままにせず、労働者自身も自分の労働時間を適正に把握する必要があります。
    超過勤務にならないように月の自分の勤務スケジュールを管理しましょう。どうしても超過してしまう場合は会社に相談するようにしましょう。

  • 有給休暇の取得を上手に利用しましょう。
    有給休暇を取得することで、健康状態が回復し気持ちの上でもリフレッシュできることでしょう。

  • 会社の規定している健康診断及びストレスチェックをきちんと受けましょう。
    健康診断は、1年以内ごとに1回(深夜業に従事する労働者に対しては6ヶ月以内ごとに1回)、ストレスチェックは1年に一回実施しなければいけません。
     そして、健康診断などの結果、所見が認められた人については、健康保持のために必要な措置について医師による意見を仰ぎ、対応するようにしましょう。

  • 長時間労働者に対する医師による面接指導を受けましょう。
    時間外・休日労働が1ヶ月あたり100時間又は2~6ヶ月平均で80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合は医師による面接指導を実施することが出来ます。

  • 衛生委員会の発信している情報を参考にしましょう。
    衛生委員会は、労働者の危険又は健康障害を防止するための基本となるべき対策方法などの情報を発信しています。参考にして自分の身体を守りましょう。

★最後に

  • 長時間にわたる過重労働の下では、疲労を回復することができなくなり、疲労を蓄積してしまうことがあります。自分の健康を守るためにも過重労働をなくし、適切な健康管理を実施することを心掛けましょう。

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