vol.124 2020.9 発行

★腰痛について資料作成 草野 裕子

★腰痛の原因は?

  • 腰痛は、日本人の8割以上が一生に一度は経験します。そして一度重症化すると、何度も繰り返したり、慢性的になりがちです。腰痛が起こるのには、代表的な二つの原因があります。

◆腰椎の機能障害(髄核のズレなど)
前かがみになると、通常は中央にある髄核という組織が後ろに少しズレます。それが積み重なると後ろへズレた状態のままになり、ぎっくり腰やヘルニアといった腰での事故が起きる可能性が上がります。急に大きく前かがみ方向の負荷がかかると、一気に事故が起こることもあります。
◆脳の機能障害(ストレスに伴う脳内物質の分泌不足など)
職場や家庭での負担感や悩み、つまり心理・社会的なストレスを対処できず抱えていると、快感や、痛みを抑えることに重要な役割を果たしている、脳内(中脳辺縁系)のドーパミンという物質が分泌されなくなります。その結果、健全な精神を保つために重要な脳内のセロトニンの分泌が低下し、自律神経のバランスも乱れ、腰痛を含む下図のような症状が、どれでも現れることがあります。
めまいや耳鳴りで耳鼻科にかかっても、胃腸の不調で内視鏡検査をしても、原因がはっきりしないことがありますが、これも臓器や器官の障害ではなく、脳支配による機能的な障害と考えれば附に落ちます。ですからストレスを感じた時に肩こりや背中のはり、そして腰痛が強まっても何の不思議もありません。

★腰痛を起こさないためには

  • ●上記で説明したとおり、腰痛には大きく分けて二つの原因があります。その為、対策も腰椎の機能障害に対する対策と、脳の機能障害に対する対策の二つを行う必要があります。
  • ◆腰椎の機能障害(髄核のズレ)を起こさないための対策
    ◇基本姿勢  挙上や移動、前屈みになる時などの動作時は、少しだけ胸を張る感じで重量挙げ選手がバーベルを持ち上げる時の姿勢をイメージして、その姿勢を保つよう習慣化させましょう。
    ◇面倒くさがらずに日頃の習慣に
    姿勢を基本としつつ 下に示したような工夫も習慣化させましょう。
    ・作業しやすい高さで ・自分と近い距離で ・低い作業はしゃがんで
    ◇反る体操を  前屈みになった後や重いものを持った後、暫く座りっぱなしだった後には、すぐに反る体操をしましょう。反る体操とは、脚を軽く開き、膝を伸ばしたまま上体をゆっくり3秒間、息を吐きながら最大限に反らします。これを2回ほど行います。余裕がある場合は、作業する前にも行っておきましょう。
    ◆脳の機能障害を起こさせないための対策
    ◇ストレス要因を知ること、それとうまくつきあう術をみつけることがストレス対処の秘訣です。自分のことを第三者的な目で一度客観的に見つめ直してみましょう。
    ◇仕事の前に気合いを入れる
    仕事を始める前に「よっしゃ!」など心の中で宣言して、仕事モードに気持をセット。そうすると、仕事への集中力も高まります。苦手な仕事でも、乗り気のしないことでも、「よし、やるぞ!」と一言かけて、前向きにとらえることで、楽に出来るようになります。
    ◇仕事中は『オアシス』から関係作りを
    仕事中は、「お」はようございます(笑顔と挨拶)「あ」りがとう(感謝の気持ち)
    「し」つれいします(礼儀ある姿勢) 「す」みません(素直な態度) の声かけと心がけで臨みましょう。すでに出来ている人は、「オアシス」にプラス一言を加えましょう。
    ◇仕事とプライベートの切り替えを
    仕事が終わったらダラダラ仕事のことを考えるのではなく、ギアを切り替えましょう。音楽や読書、友人とのダべリングなど。 ウォーキングは心身のリフレッシュに最適です。

★腰痛が起きたら

  • 明らかな原因疾患のない一般的な腰痛(言いかえれば心配のない腰痛)に対しては、予防としても治療としても世界的に「安静」は薦められていません。
  • 「ぎっくり腰」でさえも、安静を保ち過ぎるとかえってその後の経過がよくないことが分かっており、仕事を含む普段の活動をできる範囲で維持したほうが望ましいとされています。

  • 痛み止めの薬は、胃潰瘍の経験があるなど胃が弱い、腎臓の機能が悪い、気管支喘息があるなど鎮痛薬(市販のものでもよい)を使用しづらい場合を除いて、我慢せず痛みが楽になるまで定期的に続けるようにしましょう。
  • 局所はどちらかというと、冷やすよりも温めるほうがよいとはされていますが、本人にとって気持ちがよければ冷湿布を併用しても構いません。
  • 安静期間は、動けないほどのぎっくり腰を患った場合には、数日程度なら仕事を休んでも構いませんが、長くても4日以上安静を保つことは避けましょう。つまり安静にする期間は、できるだけ最小限にしましょう。欠勤するか、数日は軽作業にしてもらうかどうか等は、上司や産業医とよく相談してください。
  • 腰痛ベルトは、着けた時の方が、痛みが和らぎ、普段の活動を維持することの助けとなるなら装着することは決して悪くはありませんが、長期にわたり習慣的に使うメリットはほとんどないとされています。痛みが楽になったら装着を習慣化するかわりに、前述した基本姿勢を習慣化しましょう。
  • ★最後に

    • 健康経営としての健康作りは、会社に属する全ての人の協力があってこそ機能します。
      一人一人がしっかりと健康への意識を持つようにしましょう。
      この資料を公開することにより「健康づくりの話し合いの場とすること」にします。
      総務部までお気軽にご質問ください。

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