vol.136 2021.09 発行

★腰痛について資料作成 草野 裕子

★腰痛の原因は

  • 「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部を主とした痛みやハリなどの不快感といった症状の総称です。一般に座骨神経痛(ざこつしんけいつう)を代表とする下肢(脚)の痛みやしびれを伴う場合も含みます。
    世界保健機関(WHO)の取りまとめた憲章では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的腰痛の原因は一つではなく、様々な要因が重複していることが多いです。
    主な要因は次のようなものがあります。
    ◆動作要因・・・腰部に動的あるいは静的な過度の負担が掛かる
    ・重量物を頻繁に取り扱う ・腰を深く曲げたり、ひねったりすることが多い
    ・長時間同じ姿勢で仕事をする ・安全に作業を行うための『作業標準』や『安全作業マニュアル』がなく不自然な姿勢が連続する…など
    ◆環境要因・・・腰部の振動、寒冷、床・階段での転倒など
    ・身体が寒冷にさらされる ・車輌運転などの全身振動に長時間さらされる
    ・職場が乱雑であり、安全な移動が困難である…など
    ◆個人的要因・・・年齢、性、体格、筋力、腰椎椎間板ヘルニアや骨粗しょう症等の既往症、
    基礎疾患の有無、精神的な緊張度など
    ・慢性化した腰痛を抱えている ・年齢とともに痛みが続く ・腰に違和感があるが、専門家に相談できる体制にない ・腰が痛いときでも、小休止が取れない
    ・仮眠するベッドがないため、満足な睡眠が取れない ・夜間勤務が長い ・夜勤回数が多い ・職場にある機械・機器や設備がうまく使えない ・急いでいるため、一人で作業することが多い…など
    ◆心理要因…職場の対人ストレスなど
    ・仕事の満足度が得にくい ・働きがいが感じられない ・仕事中にイライラすることが多い ・上司や同僚とうまくいかない ・患者や利用者から嫌がらせを受ける…など

★腰痛を予防するには

  • 職場における腰痛予防対策の基本として、腰痛が発生しやすい5つの作業の作業態様別に基本的な予防対策のポイントを示してみました。
    ◆作業姿勢と動作
    前かがみ・中腰での作業や腰のひねりを長く保つ作業が頻繁にある場合は、そうした作業による腰部負担を軽減するために「適宜小休止・休息を取る、他の作業と組み合わせるなどにより同一姿勢を長時間続けないようにすること」を心掛けてください。
    ・重いものを持ち上げたりする場面では、腰部に負担がかかるため、膝を曲げてしゃがむように抱え、その姿勢から膝を伸ばすようにすることによって、両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる姿勢を取らないようにしましょう。
    ・立った状態で重いものを抱え、体の前方で保持する場面では、出来るだけ身体の近くで支え、腰の高さより上に持ち上げないことや、背筋を伸ばしたり、身体を後に反らしたりしないようにすることが大切です。
    ・腰部のひねりを避けるために、出来るだけ正面に向いての作業を心掛けるようにしましょう。ただし同一の姿勢を長く続けないようにしましょう。
    ◆環境の整備や業務内容の改善
    作業を行う際に無理な姿勢で行わないで済むように、充分なスペースがあるか、邪魔になるものがないか、足下が不安定ではないかなど、作業環境をしっかり整えるようにしましょう。また、特定の職員に腰部負担の大きい業務が集中しないようにすることや作業量の適正配分をすること、室内温度や照明の管理、作業の合間に小休止をはさむなどの配慮も必要です。
    ◆作業前のストレッチや腰痛予防体操の実施
    腰痛の予防を含めた健康確保の観点から、作業前にストレッチを、また、作業の合間などに適宜、腰痛予防体操を実施しましょう。腰回りの筋トレも有効です。
    ◆医師や健康診断の受診
    腰部に不安がある場合は、一度医師の診察を受けるか健康診断時に医師に相談しましょう。

★腰痛が起きたら…

  • 病院に行くほどではない腰痛の場合は、次のような対策をとると効果が期待できます。
    ◆適度な運動を行う
    ウォーキングのような適度な有酸素運動を毎日行うと、脳の血流がアップし、脳の中で痛みを抑える物質が増えてきます。
    ◆出来る範囲で通常の生活を続ける
    普段どおりに仕事や家事をするなど、出来る範囲でいつもどおりの生活を続けましょう。
    ◆ストレス対策を行う
    自分が楽しいと感じることを行うと、脳の血流がよくなって痛みを抑える物質が増え、痛みを抑えることができます。生活の中にリラックスできる時間を作ることがお勧めです。

★最後に

  • もし、ぎっくり腰になってしまった時はむやみに動かず、まずは最も楽な姿勢でゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。 しばらく繰り返していると、それだけで痛みが落ち着く場合があります。もし、少し動けるようになったら今度はゆっくりと正座をし、ここでも深呼吸を繰り返します。その後は無理をせずに楽な姿勢をとりつつ、様子を見ながら日頃の生活に戻していきましょう。
    ぎっくり腰の大半は数日~数週間で症状が落ち着いてきます。
    手足にしびれなどが出た場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

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