パーソナルアシスタント町田
vol.101 2018.10 発行

メンタルヘルスについて(2)資料作成 草野 裕子

★メンタルヘルスケアとは?

  •  メンタルヘルスケアとは、全ての働く人が健やかに、いきいきと働けるような気配りと援助をすること、及びそのような活動が円滑に実践されるような仕組みを作り、実践することをいいます。
     全ての働く人を対象としていることが大切なポイントです。すなわち、①健やかに、いきいきと働いている健康な人、②勤務はしていても過剰なストレス状態にある半健康な人、③ストレス関連疾患に罹ったり、精神障害の症状を呈している人の全ての人にその状態にあったケアをするものです。
  •  厳しい経済情勢の中、職業生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者は約6割に上っています。 また、メンタルヘルス上の理由により連続1カ月以上休業し、または、退職した労働者がいる事業場は7.6%となっています。 さらに、業務に密接な関係があると判断されたメンタルヘルス不調者は労災の補償対象となり、その件数も増えてきています。 事業者が民事上の損害賠償責任を問われる例も出ています。
     これらの状況をふまえ、労働者のメンタルヘルス不調は、企業経営のリスク要因として見逃せない問題であるという認識が定着してきました。 現在では、組織全体の心の健康レベルを引き上げることにより、企業の活性化や生産性の向上に繋げようという考え方も出てきています。

★ストレスの現状

  •  少子高齢化、団塊世代の大量退職、成果主義の導入、国際競争の激化、人員削減による負担の増大、経済状況の悪化など、近年、働く人びとを取り巻く環境は大きく変化しています。こうした変化に伴い、仕事でストレスを感じている労働者の割合や、ストレスの内容も変化してきました。
  •  ストレスは、もともと物理学の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって、歪みが生じた状態を言います。ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。
     私たちのこころや体に影響を及ぼすストレッサーには、「物理的ストレッサー」(暑さや寒さ、騒音や混雑など)、「化学的ストレッサー」(公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など)、「心理・社会的ストレッサー」(人間関係や仕事上の問題、家庭の問題など)があります。  普段、私たちが「ストレス」と言っているものの多くは、この心理・社会的ストレッサーのことを指しています。職場には、仕事の量や質、対人関係をはじめ、さまざまな要因がストレッサーとなりうることが分かっています。  ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、心理面、身体面、行動面に分けることができます。心理面でのストレス反応には、活気の低下、イライラ、不安、抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)などがあります。身体面でのストレス反応には、体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状があります。 その他、行動面でのストレス反応には、飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故、ヒヤリハットの増加などがあります。 これらのストレス反応が長く続く場合には、過剰なストレス状態に陥っているサインかもしれません。 これらの症状に気づいたら、普段の生活を振り返り、ストレスと上手に付き合うための方法(コーピング)を工夫してみることをおすすめします。また、これらの症状の程度が重かったり、長期間続くような場合には、専門家(精神科,心療内科)に相談することをおすすめします。

★ストレスの軽減・緩和

  •  私たちがストレスにさらされ、もし、うまく処理できない時には、そのストレスを増幅させ、心身の異常を発生させることになります。自分ひとりで対処できないようなストレス強度の場合は、特に心拍数や血圧の異常を引き起こし、そして、不安や恐怖などの心理的負荷を感じることになります。しかし、私たちは、これらのストレスに対して緩和するべく色々な対応を試みます。ストレスに対処する行動をストレスコーピングといいます。  ストレスコーピングの分類としては、ストレスそのものに対する働きかけによってストレスをなくしてしまう方法、ストレスに対して自分自身ならびに周囲の人の協力を得て解決する方法、ストレスによって発生した自分の不安感や怒りなどの感情を周囲の人たちに聴いてもらうことによって発散する方法などがあります。
     いずれにしても自分で対応しきれないストレスに対しては、自分ひとりで解決するよりは、自分の力と周囲の人たちの力を合わせて、よりよい解決の糸口を見出すことが重要です。また、日頃からストレスが発散できるよう、趣味や生きがいとなるものを持つことも必要です。そして、問題解決のために協力してもらえる人間関係の構築も重要となります。  窮地に陥った時に相談できる人を持つことは、極めて重要なことです。私たちは人と人が作ったものから、そして自然からもストレスを受けますが、一方でそれらはストレスを癒す大きな存在でもあるのです。

★最後に

  •  労働者の心の健康づくりを推進していくためには、事業者によるメンタルヘルスケアの積極的推進と、労働者自身がストレスに気付きこれに対処する、セルフケアの必要性を認識することが重要であり、企業全体で協力して取り組んでいかなくてはなりません。

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