vol.131 2021.04 発行

~紫外線と熱中症~資料作成 草野 裕子

★紫外線とは

  • 地上に届く太陽光は、“目に見える可視光線”、“熱として感じることができる赤外線”、そして“目にすることも感じることもできない紫外線”に分けることができます。太陽光に含まれている紫外線の割合は、たった5%程ですが、人体に様々な影響を及ぼすと言われています。
    地上まで届く紫外線は波長の長さによってUVA・UVBに分けられ、それぞれ違った特徴があります。
    UVAは地上に降り注いでいる紫外線の約95%を占めていて、肌の奥(真皮)まで入り込み、コラーゲン・エラスチン線維を破壊しハリ・弾力を低下させ、シワやたるみをまねく原因になります。一方、UVBは約5%と降り注ぐ量は少ないのですが、日焼けやシミ・ソバカスの原因のひとつとされています。
  • 紫外線による影響は私たちにとって、良い影響もあれば、悪い影響もあります。
    ◆紫外線のいいところ
    紫外線は、私たちの身体において少量ですが、必要なものとして考えられています。
    紫外線を浴びると体内でビタミンDが活性化され、骨の形成や代謝をサポートします。
    ◆紫外線のわるいところ
    紫外線を必要以上に浴びてしまうと、シミやシワ、弾力の低下といった肌の老化に繋がってしまいます。
    さらには皮膚がんを誘発する原因になることもあります。

★上手に紫外線と付き合うためには

  • 絶対に、日を浴びない生活は困難です。上手につきあい健康な肌を目指しましょう。
    紫外線は、1年中降り注いでいます。紫外線に注意するのは夏だけ、と油断していませんか?
    もちろん夏に多いのは事実ですが、紫外線量は4月頃から徐々に増えていき、5~8月にピークを迎えます。また、冬の紫外線は、夏の日傘の下よりも強いと言われています。季節を問わず1年中UVケアを習慣化して上手に付き合いましょう。
  • 「紫外線対策で予防しましょう。
    日焼け止めを塗るだけの紫外線対策も良いのですが、それ以外にも外出時は日傘、UV加工のされている衣類を着用するなどの紫外線予防は効果的です。また、屋内にいても紫外線の影響をうけることがありますので注意が必要です。空から降り注ぐ紫外線は、地表にあるものに反射し、地面からも照射します。砂浜・水面やアスファルトは、紫外線の反射率が高いのです。
  • 日焼けをしてしまった後は、スキンケアで肌にうるおいを与えましょう。
    日焼け時のスキンケアでは、ごしごしと洗顔をしたり、日焼けした部位のマッサージを行なったりするのは控え、肌に刺激やダメージを与えないことが大切です。
    肌が軽度の火傷となり乾燥しやすい状態になっているため、ローションやマスクなどを使い、普段より化粧水をたっぷり与えるなど保湿ケアを十分に行いましょう。
    体調不良、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなどにより肌サイクルが乱れると、生成されたメラニン色素が排出されず細胞内に残ってしまいます。肌サイクルを促すために、「しっかりとした睡眠」「ストレスを溜めない」「バランスのとれた食事」「ビタミンを摂る」等、毎日の生活を工夫してみてください。

★熱中症について

  • 熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、循環調節や体温調節などの体内の重要な調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。
    症状として、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温などが現われます。
  • 熱中症にはさまざまな症状が現れるので、それぞれに病名がつけられています。
    ◆熱失神…暑熱環境下で皮膚血流の著しい増加と多量の発汗とにより、相対的に脳への血流が一時的に減少することにより生ずる立ちくらみが起きます。
    ◆熱痙攣…汗で失われた塩分不足で生ずる筋肉のこむら返りや筋肉の痛みが出ます。
    ◆熱疲労…脱水が進行して、全身のだるさや集中力の低下した状態をで、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐などが起こります。
    ◆熱射病…「熱疲労」を放置した状態です。
    中枢神経症状や腎臓・肝臓機能障害、さらには血液凝固異常まで生じた状態のことで、普段と違う言動やふらつき、意識障害、全身のけいれん(ひきつけ)などが現れます。
  • 実際の現場では、これらの状態が混在して発生するので、熱中症が発生した時には、下記のように状態で重症度を分類していますので、その重症度に合った対応や処置を行いましょう。
    ◆軽 症 Ⅰ度 <応急処置と見守りが必要>
    (症状)めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、意識障を認めない熱けいれん、熱失神の状態です。
    (必要な処置)冷所での安静、体表冷却、経口的に水分と塩分、ミネラルの補給をします。
    Ⅰ度の症状が徐々に改善している場合のみ、現場の応急処置と見守りをします。
    ◆中等症 Ⅱ度 <医療機関への搬送が必要>
    (症状)頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下、熱疲労の状態です。
    (必要な処置)体温管理、安静、十分な水分とNaの補給をします。経口摂取が困難なときには点滴が必要です。
    ◆重 症 Ⅲ度 <入院加療が必要>
    (症状)下記の3つのうちいずれかを含みます。
    中枢神経症状(意識障害、小脳症状、痙攣発作)、肝・腎機能障害(入院経過観察、入院加療が必要な程度の肝または腎障害)熱射病の状態血液凝固異常(急性期DIC診断基準(日本救急医学会)にてDICと診断)⇒Ⅲ度の中でも重症型です。
       (対応)入院加療(場合により集中治療)が必要、すぐに119番に連絡をします。
  • 近年、地球温暖化の影響により、夏の気温が高くなってきています。
    紫外線の照射量や熱中症の発生率も増加しているので知識をつけて、対策をとりましょう。
    また、熱中症は屋外屋内を問わずに起こります。生命の危機に至るため注意が必要です。感覚にたよらず、湿度計や温度計、エアコン、扇風機などを利用して水分と塩分補給を忘れないようにしてください。



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