★花粉症について
-
くしゃみ、鼻みず、鼻づまりといった鼻の症状や、目のかゆみ、充血といった目の症状等を引き起こすアレルギー症状です。日本では約 60 種類の原因植物の花粉が知られています。
トップはスギで花粉症全体の約 7 割を占めていると推察されています。このため、多くの人はスギ花粉の飛散量が多い 2 月から 5 月にかけて、つらい症状に悩まされます。また、この時期は近年増加傾向にあるヒノキ花粉にも注意が必要です。
今や花粉症は、「国民病」とも言われ、調査では、日本人の 2 人に 1 人が花粉症の可能性があると報告されています。
-
スギやヒノキの花粉症に悩まされている方が多いため、「花粉症と言えば春」と思われているかもしれません。でも、実は秋にも原因となる花粉は飛んでいます。秋の花粉症の主な原因は、空き地などに繁殖する雑草で、キク科のブタクサやヨモギ、アサ科のナカムグラ、イネ科のカモガヤが代表的なものです。これらの草が開花期を迎える9月から11月に花粉が飛散し、花粉症を引き起こします。なので、花粉症(季節性アレルギー鼻炎)は1年中注意が必要です。
また花粉症と似た症状のアレルギー症状を伴う通年性アレルギー性鼻炎は、その多くがダニ、ハウスダストによるアレルギーで、原因は家の中やオフィスなど屋内にもあるので花粉症とは原因が異なるアレルギー鼻炎です。
-
風邪と花粉症の簡易的な見分け方は次の通りです。
◇(風邪特有の症状)高熱、激しい喉の痛み、粘り気のある鼻水、いずれの症状も無く、目のかゆみ、連続したくしゃみ、水のように透明な鼻水が出るのが特徴です。人によっては皮膚のかゆみ、のどの痛みやかゆみ、咳、頭痛、発熱などあらゆる症状が現れます。
-
季節や地域によって異なる花粉飛散量ですが、1日の中では、早朝、スギやヒノキ林周辺から飛散し始め、午前中に郊外住宅地都市部へと飛散します。この飛散量は昼ごろまで高いままですが、午後に一旦落ち着いて、日没前後に再び多くなることがあります。これは、夕方の気温の低下による空気の対流で上空の花粉が地上に落ちたり、落ちていた花粉が再び舞い上がったりするためです。ですから、花粉の飛散ピークは1日2回となります。花粉飛散量が非常に多い春先の花粉症シーズンには、午前中や日中だけでなく、夕方の花粉の飛散にも注意が必要です。
-
2021年の花粉飛散量の傾向は?
予測する前年夏の気象条件と前年春の花粉の飛散量が大きく影響します。
ヒノキ花粉に最も影響の大きい6月上旬の日照時間は、2019年と比べ多くなりました。7月は梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多く、気温も平年より低かったのですが、8月は一変して記録的な猛暑でした。このような夏の気象条件および全国的に花粉が少なかった状況から、2021年春の花粉飛散数はおおむね平年より少ないものの、一部の地域を除いて2020年より多くなる見通しです。 3倍以上になる地域もあると予測されているため、万全の対策が必要です。
★花粉症の予防は
-
アレルギーですが、身体の仕組みには有害なものや不都合なもの(異物)を排除し、身体を守ろうとする免疫機能が備わっています。その免疫機能が過剰になり症状が出るので、根本的な治療法はありません。一番根本的な治療に近いものはあります。アレルギー物質に身体を慣れさせる「減感作療法」になりますが、長い期間を要します。
-
花粉症の症状が出る前の早めの対策
日常のセルフケアだけでは充分に抑えることが難しい花粉による鼻炎症状も、本格的に花粉が飛散する前、または症状の軽いうちから鼻炎薬を服用しておけば、花粉の飛散量が多い時期のつらい鼻炎症状を緩和してくれます。(これを初期療法と呼びます。)花粉情報に注意しながら花粉による鼻のムズムズを感じたら、アレルギー症状を抑える作用のある鼻炎薬を早めに服用し、対処するようにしましょう。
-
症状を予防し、悪化を防ぐには、日常生活の中で出来るだけ花粉を避けることが大切です。
まずは、自分自身で行うセルフケアをしっかり実践していきましょう。
外出する時、外から帰った時、家に居る時、特に次のようなことに気をつけましょう。
- 花粉情報を活用し、飛散の多い日や時間帯には外出を控える
- 外出する時…マスク、眼鏡や帽子やスカーフを使用する(花粉の付きにくい生地の服を着用)
- 外から帰った時…玄関先で花粉を払い落としうがい、手洗い、洗顔をして、鼻をかむ
- 家に居る時…花粉が家の中に入ってこないように窓やドアの開閉は短時間で行う
- 布団や洗濯物は外に干さない
- 体調管理も大切です。タバコは粘膜を傷つけます。充分な睡眠やバランスの良い食事を取る、適度な運動を行うなど、規則正しい生活を心がけましょう。
-
コロナ禍の花粉症対策
新型コロナは、3密(密閉、密集、密接)の場で広がりやすいため、現在その対策として換気が推奨されています。ところが換気の結果、花粉を吸い込んでしまうと、くしゃみによる飛沫感染のリスクが高まります。コロナ禍では周りの人にコロナを感染させないことが最も重要です。このため、2021年春の花粉シーズンでは、必要な換気を行ないながら薬を服用して花粉症の症状を抑え込むことが大切です。
鼻炎薬などを服用し花粉シーズンを上手く乗り切りましょう。
★最後に
-
花粉症の方は、コロナ禍の影響で今シーズンの花粉症対策が今までと少し違う方法が必要となります。出来るだけ早めにしっかりと対策をして辛いシーズンを少しでも楽に乗り越えられるようにしましょう。
TOP