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衛生委員会 vol.34 2013.3 発行

~ 第34回 虫歯について ~

歯の表面のプラーク(歯垢)に存在する細菌は、飲食物の中の糖分を摂取・分解して酸を出します。この酸により歯が溶かされることを脱灰といいます。人の唾液は酸を緩衝して中性に近づけることで歯を守っており、カルシウムやリン酸を含んでいる唾液が脱灰された歯を修復(再石灰化)します。
糖分の摂取が頻繁で、酸の緩衝や再石灰化が間に合わず脱灰された状態が続くと、その部分はそのうち崩壊し、虫歯になってしまいます。

虫歯により崩壊した歯質は、再石灰化等により自然に回復することはないため、虫歯の穴を埋めて修復する歯科治療が必要になります。又、進行した虫歯では、歯の神経にまで細菌が達することがあります。こうなってしまうと歯の神経を抜く大掛かりな治療が必要になってしまいます。
さらに進行した場合には、歯の根元にまで細菌が達して病巣ができて、その結果、歯肉から膿が出ることもあります。この場合、歯を抜かなくてはならないこともあります。


○虫歯の特徴

虫歯は痛みを伴い、自然治癒をしないため治療が必要になります。ゆっくりと進行し、小児に多発しますが、大人でもよく発症します。 虫歯の治療は、崩壊した歯質を歯科材料で置き換えるのが主な方法であり、元の健全な歯に回復するわけではありません。

臼歯の溝や前歯の裏側のくぼみの部分や、歯と歯の間、歯ぐきに近い部分など、これらの部位のプラークは除去することが難しいため虫歯が発生しやすい部分になります。特に、臼歯の溝は、歯ブラシの毛先が届かず、子供が発生する虫歯の8割以上がこの部位から発生しているという報告もあります。又、虫歯の治療に用いた歯科材料と歯との隙間に細菌が侵入して、詰め物の底の部分に虫歯ができるというケースもあります。

歯ブラシの届く場所の虫歯は歯みがきで防ぐことができますが、最も虫歯になりやすい部位の虫歯は歯みがきだけでは防げません。こうした虫歯の予防には、フッ化物の利用や、臼歯の歯の溝(小窩裂溝)を埋めるシーラント、糖分の摂取制限が必要になります。


○8020運動

8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動は、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。愛知県で行われた疫学調査の結果などを踏まえ、平成元年(1989 年)、厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱して開始されました。

「8020」のうち、「80」は男女を合わせた平均寿命のことで「生涯」を意味します。一方、「20」は「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数を意味します。
これまでに行われた、歯の本数と食品を噛む能力に関する調査によると、だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが科学的に明らかになっています。


○虫歯予防法

 

最も効果的な方法は、フッ化物を用いる方法であり、国内で実施されている方法では、フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布、フッ化物配合歯磨剤などがあります。 砂糖の適正摂取(代用糖の利用)とシーラント(奥歯の噛みあわせの部分にプラスチックを埋め込む予防方法)も有効な予防法です。

又、歯周病対策としては口腔清掃が有効です。
この方法には、自分自身で行うセルフケアと専門家によるプロフェッショナルケアの2通りがあります。セルフケアでは、歯ブラシによる適切な清掃に加えて、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯間部の清掃が重要です。プロフェッショナルケアでは、セルフケアでは取り除けない歯垢や歯石を専門家が除去する方法です。

喫煙は歯周病のリスクファクターとして認められており、禁煙教育も歯周病の予防対策として必要とされています。


○参照サイト

http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02.html (e-ヘルスネット)