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衛生委員会 vol.55 2014.12 発行

~ 第55回 ウイルス性胃腸炎予防について ~
      資料 相模原事業所 松原

12月から3月くらいまでの間は、毎年ウイルス性胃腸炎が流行する季節です。

ウイルス性胃腸炎とは?

原因となるウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などがあり、主な症状は腹痛・下痢、おう吐、発熱です。
「ロタウイルス」、「アデノウイルス」による胃腸炎は、乳幼児に多く見られます。 これらの胃腸炎は、症状のある期間が比較的短く、特別な治療法がないことから、ウイルス検査を行わず、流行状況や症状から「感染性胃腸炎」と診断されることもあります。
今回は代表的で感染性が高いノロウイルスについて説明します。

ノロウイルス性胃腸炎とは?

もともと、ノロウイルスは冬季に生ガキなどの二枚貝に存在し、ウイルスを保有する貝を食した際に感染し、食中毒を引き起こします。貝の鮮度とウイルスの有無は関係ありません。
10個~100個のウイルスで感染が成立するほど伝染性の強いウイルスであるため、患者の吐物、便が感染源となることも多いと考えられます。
吐物、便などは乾燥するとウイルスが空気中に漂う為、空気感染を起こす可能性があります。
また、老健施設や病院などでの集団発生も幾つも報告されています。
感染すると下記のようになります。

この際に腹痛を生じることが多く、37~38℃台の発熱を伴うこともあります。脱水や発熱による全身倦怠感が非常に強くなることもあります。

嘔吐、下痢による脱水を防止するために水分を補充することが大切です。
脱水や全身倦怠が強いときは、点滴による補液療法が有効です。
感染期間:嘔吐物、便には1gあたり1億個のウイルスが存在することもあります。
便中には1~3週間もウイルスの排泄が続く場合もあり二次感染を起こさないように注意する必要があります。



ウイルス性胃腸炎を予防するには?(ノロウイルス)

まず日常生活では、体調の優れない時は貝の生食は避け、火を通して食べるなどウイルスを取り込まないようにすることが大切です。
ノロウイルスは高温に弱いので、食材の中心温度が85度以上で1分以上の加熱処理をすることがとても有効です。
また、貝を調理したまな板と包丁などは熱湯をかけるかキッチンハイターに浸けて、その後に食器洗い洗剤で洗いましょう。
丁寧な手洗いを行いウイルス拡散の予防を徹底しましょう。
爪を短く切り指輪をはずすとリスクが下がります。
石けん自体にはウイルスを失活化させる効果はありませんが脂肪などや汚れを落とすことによりウイルスを手から剥がれやすくする効果があります。
自分のものやペーパータオルを使うなど、他の人とのタオルの共用は避けましょう。
感染した人の吐物、便を始末する際には手袋、マスクをして飛沫がかからないようにし、処理後は必ず手洗い、うがいをしましょう。
吐物、便の処理はペーパータオルなどで汚物を拭き取ってから、次亜塩素酸を染み込ませた雑巾で拭き、その後水拭きをするようにしましょう。
吐物、便は乾燥して空気感染を起こさないように次亜塩素酸を入れたビニールで密閉して廃棄しましょう。
次亜鉛酸がなければ塩素系漂白剤(キッチンハイター)で対応できます。



ウイルス性胃腸炎に罹ったら?

症状が出たらすぐに病院に電話しましょう。
病院で確認し感染が分かったらすぐにサービス提供責任者と利用者様に報告して下さい。
同居する家族の方が発症しても同様に連絡をお願いします。
安静にして睡眠と水分を充分にとりましょう。
周りへ感染さないように不織布のマスクを使用してできるだけ外出を控えましょう。
吐物や便の扱いに気を付け、感染拡大を防ぎましょう。
症状が治まって1週間経つまではできるかぎり出勤を避けて頂きます。



最後に

ウイルス性胃腸炎もインフルエンザと同様に個人の健康を損なうだけでなく、大流行により、仕事の支障がでたり勉強が遅れるなど、社会的にも重大な影響をきたします。
普段からの積極的な予防と罹ってしまった場合の早期治療で社会に及ぼす影響を軽減できるように努めましょう。