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vol.68 2016.1 発行

~ ノロウイルス ~      資料 相模原事業所 草野

今回はノロウイルスについて簡単にご説明したいと思います。近年、冬になるとインフルエンザと並んで猛威を振るっています。ノロウイルスの症状や予防法などについて簡単にお話しします。

★ノロウイルスとは?

  • ノロウイルスとは、食中毒(非細菌性急性胃腸炎)を引き起こすウイルスのうちの一つです。
    感染者の糞便や吐瀉物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染を引き起こします。その他、河川を経由して蓄積された貝類の摂食による食中毒の原因になる場合もあります。
    感染率が高い為、ノロウイルス属による集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生しています。特に、冬に爆発的に発生率が上がりやすく、「NV」や「NoV」と略されて表記されます。

★ノロウイルスに感染したら?

  • ノロウイルスは、人に経口感染して十二指腸から小腸上部で増殖し、感染性胃腸炎を起こします。
    死に至る重篤な例は稀ですが、苦痛が極めて大きく、稀に十二指腸潰瘍を併発することもあります。
    特異的な治療法は確立されておらず、感染から発病までの潜伏期間は12時間~72時間(平均1~2日)で、症状が収まった後も便からのウイルスの排出は1~3週間程度続きます。

  • 主な症状は、嘔吐・下痢・発熱で、症状には個人差がありますが、突発的な激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、悪寒、38℃程度の発熱を起こすのが特徴的です。また、嘔吐の数時間前から胃に膨満感やもたれを感じる場合もあります。
    これらの症状は通常、1、2日で治癒し、後遺症が残ることもありません。ただし、免疫力の低下した老人や乳幼児では長引くことがあり、死亡した例(吐瀉物を喉に詰まらせることによる窒息、誤嚥性肺炎による死亡など)も報告されています。

  • 現在、ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬は存在しません。下痢や嘔吐がひどい場合には水分の損失を防ぐために補水対策が必要です。家庭においては、経口補水液またはスポーツドリンクを軽く薄めたものを人肌に温めてから飲むことが推奨されます。
    これらが無い場合は0.9%の食塩水(100 mlに食塩0.9gを溶かしたもので、いわゆる生理食塩水)を作り、人肌に温めて飲むことでも効果があります。
     電解質を含まない湯冷まし、お茶などは水分の吸収が遅いのでお勧めできません。また止瀉薬(下痢止め)の使用については、ウイルスを体内に留めることになるのであまり用いるべきでないと言われています。

  • また、感染しても発症しないまま終わる場合(不顕性感染)や風邪症候群と同様の症状が現れるのみの場合もあります。
    これらの場合でもウイルスによる感染は成立しており、糞便中にはウイルス粒子が排出されているため、注意が必要です。


★ノロウイルスを予防するには?

  • 現在、ノロウイルスに対する有効なワクチンは開発されておらず、今後も開発するのは難しいと言われています。
    ノロウイルスは、アルコールや高温に対する抵抗性が強いことが特徴です。また、乾燥や酸にも強く、水中でも長時間生きていることができる非常に厄介なウイルスと言えます。そのため、感染力が高く爆発的に拡がりやすいのです。

  • ノロウイルスの感染はほとんどが経口感染(口から体内に入り感染する)で、次のような感染経路があると考えられています。
    1. 感染者のウイルスが大量に含まれる便や吐物などから直接もしくは二次的に感染する場合。
    2. 調理などを行う食品取扱者が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合。
    3. ウイルスに汚染された貝類(特に二枚貝)を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合。
    4. ウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合。

  • 上記の点を踏まえて次のポイントに注意しましょう。
    1. 食事の前やトイレの後などには、せっけんを使いしっかりと手を洗いましょう。
    2. タオルなど共用で使用するものは避けるようにしましょう。
    3. 下痢や嘔吐などの症状がある人は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
    4. 食品中のウイルスは加熱により感染性をなくすことができます。食品の中心温度が 85℃ 1分以上になるようにしっかり熱を通して食べましょう。
    5. ウイルスは乾燥すると空気中に漂い、これが口に入って感染することがあります。便や嘔吐物を乾燥させないことがとても重要です。
    6. 便や嘔吐物の処理をする時は素手で触らず、必ずビニール手袋を使用しましょう。
      汚物の消毒は市販の塩素系消毒剤(漂白剤)を希釈したものを使用してください。
      便や嘔吐物はペーパータオル等で取り除き、ビニール袋に入れましょう。
      残った便や嘔吐物の上にペーパータオルを被せ、その上から50倍~100倍に薄めた市販の塩素系漂白剤を十分浸るように注ぎ、汚染場所を広げないようにペーパータオルなどでよく拭きましょう。(処理をする際に利用する手袋は出来れば使い捨てのものを使いましょう。拭き取るものも雑巾では濯ぐ際にウイルスが飛散するので、出来るだけ使い捨てに出来るものを利用しましょう。)
    7. 排便や嘔吐または便や嘔吐物の処理の際は、トイレの便器の蓋を閉めてから流すようにしましょう。

★最後に

  • ノロウイルスは感染力が高い為に、インフルエンザと同様に社会に与える影響が大きいウイルスです。しっかりと予防することで、自分や周りの人達への影響を最小限に留められるように心掛けましょう。


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