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vol.77 2016.10 発行

~ 障がい者虐待防止法~ ~資料 相模原事業所 草野

今回は障がい者虐待防止法について簡単にご説明したいと思います。先日に起きた施設での大きな事件を受けて、障がい者を守るべき法律の障がい者虐待防止法について、改めてどんなものかを簡単にお話しします。


『障がい者虐待防止法とは?』

  • 「障がい者虐待の防止、障がい者の養護者に対する支援等に関する法律」の通称です。
    障がい者の虐待の予防と早期発見、及び養護者への支援を講じるための法律であり、平成23年(2011)に成立。平成24年(2012)10月から施行されました。

    養護者・施設職員・職場の上司などによる身体的・心理的・性的・経済的虐待や放置といった行為が障がい者虐待にあたります。そして、それらの行為を発見した人は市町村や都道府県に通報しなければなりません。
    対応窓口として、各地方自治体に市町村障がい者虐待防止センターや都道府県障がい者権利擁護センターが設置されており、市町村は家庭に立ち入り調査を行うことが出来ます。
  • この法律が虐待を受ける「障がい者」として定義しているのは、障がい者基本法にある身体障がい、知的障がい、精神障がいを負う人です。
    虐待の種類を、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、放置、経済的虐待の5分類としています。
    また、虐待の起こる場所を家庭内に限定せず、福祉施設や職場にも想定し、虐待を行う者として、養護者の他に、福祉施設の職員や職場の上司なども想定範囲に含めた対策の必要性を明記しています。
    更に、虐待問題は虐待者と被虐待者の関係だけに留まるものではなく、社会全体で共有するべきという視点から、虐待を発見した国民には市町村や都道府県に通報する義務を課しています。

    国と地方公共団体は、障がい者虐待の防止、養護者への支援を進める義務を負います。
    通報を受けた市町村は、被害者の生命に関わる重大な危険があると判断した場合、家族の許可がなくても家庭内に立ち入って調査することが出来ます。
    福祉施設での虐待については、都道府県が調査の上指導し、その状況と対応を公表することになっています。
    職場での虐待は、市町村または都道府県から労働局に報告し、労働局が調査・指導の上、実態を公表することになっています。これに伴い、全ての自治体に「市町村虐待防止センター」が設置され、都道府県には「都道府県権利擁護センター」が置かれています。
  • 就学する障がい者、保育所等に通う障がい者及び医療機関を利用する障がい者に対する虐待への対応については、その防止等のための措置の実施を学校の長、保育所等の長及び医療機関の管理者に義務付けています。

  • マイノリティー(少数派)への虐待に対する法的な取り組みとしては、児童虐待防止法(「児童虐待の防止等に関する法律」、2000年11月に施行)、高齢者虐待防止法(「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」、2006年4月に施行)に続くものです。この法律では、高齢者虐待防止法と同じく、虐待に至った養護者への支援にも言及しています。
  • 法律が成立した背景には、障がい者虐待事件が後を絶たないという事実があります。

『虐待とは?』

    ●次のような行為は全て虐待になります。

    ◇心理的虐待

  • 脅し、侮辱などの言葉を浴びせること。
  • 仲間はずれや無視、嫌がらせなどによって精神的に苦痛を与えること。
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  • 「バカ」「あほ」など障害者を侮辱する言葉を浴びせる。怒鳴る。ののしる。悪口を言う。
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  • 仲間に入れない。子ども扱いする。人格をおとしめるような扱いをする。
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  • 話しかけているのに意図的に無視する。

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    ◇身体的虐待

      
  • 暴力や体罰によって身体に傷やあざ、痛みを与えること。
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  • 身体を縛りつけたり、過剰に投薬したりすることによって身体の動きを抑制すること。
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  • 平手打ちする。殴る。蹴る。壁に叩きつける。つねる。やけど、打撲させる。
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  • 無理やり食べ物や飲み物を口に入れる。身体拘束(柱や椅子やベッドに縛り付ける、医療的必要性に基づかない投薬によって動きを抑制する。ミトンやつなぎ服を着せる。部屋に閉じ込める。施設側の管理の都合で睡眠薬を服用させる。)

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    ◇性的虐待

      
  • 性的な行為を強要すること。
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  • わいせつな言葉を発すること。
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  • 性交。性器への接触。性的行為を強要する。裸にする。キスする。写真や映像を撮る。
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  • 本人の前でわいせつな言葉を発する、又は会話する。わいせつな映像などを見せる。

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    ◇ネグレクト(放棄・放置)

     
  • 食事や排泄、入浴、洗濯など身辺の世話や介助をしないこと。
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  • 必要な福祉サービスや医療や教育を受けさせないこと。
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  • 食事や水分を十分に与えない。食事の著しい偏りによって栄養状態が悪化している。
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  • あまり入浴させない。汚れた服を着させ続ける。排泄の介助をしない。
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  • 髪や爪が伸び放題など整容をしない。
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  • 室内の掃除をしない。ごみを放置したままにしてあるなど劣悪な住環境の中で生活させる。
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  • 病気やけがをしても受診させない。必要な福祉サービスを受けさせない、制限する。
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  • 学校に行かせない。同居人による身体的虐待や心理的虐待を放置する。

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    ◇経済的虐待

      
  • 本人の同意なしに(あるいは騙すなどして)財産や年金、賃金を使ったり勝手に運用すること。
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  • 本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること。
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  • 年金や賃金を渡さない。本人の同意なしに財産や預貯金を処分、運用する。
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  • 日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない。
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  • 本人の同意なしに年金等を管理して渡さない。

★最後に

人がこの世に生を受けた瞬間から、その人の尊厳は守られなければいけません。ハラスメントや虐待など、一方的に様々なかたちで傷付けられるべきではありません。また、それらの事象を見て見ぬ振りをするべきでもありません。  例えそれが障がい者であっても、その尊厳は何ら変わることはないのです。


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