パーソナルアシスタント町田
vol.91 2017.12 発行

~ ウイルス性胃腸炎について  ~資料作成 草野 裕子

★ウイルス性胃腸炎とは?

  • ウイルス性胃腸炎は、ウイルスなどが原因となって発症する胃腸炎のことを言います。
     別名で「胃腸風邪」とも呼ばれていて、腹痛を訴えて病院へ行くと「お腹の風邪ですね」と言われる場合がこれに当たります。
     細菌や寄生虫などの病原体が原因となって発症する胃腸炎と総称して、「感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症)」と言います。
     原因となる代表的なウイルスは、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、アストロウイルスなどがあります。
     ロタウイルス、アデノウイルスによる胃腸炎は乳幼児によく見られ、大人の場合はノロウイルス感染者が多数となっています。
     ウイルスの感染力は非常に強く、感染者の便の1mlには1億個以上のウイルスが入っているとされ、わずか10個程度のウイルスがあれば感染してしまうと言われています。
  • ウイルス性胃腸炎の発生動向は、毎年、冬場に大流行することが多く、10月頃から患者が増加しはじめ、11月~12月にかけて急増する傾向にあります。
     学校や社会福祉施設などで集団感染するケースで、大流行に至ることもあります。
     感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。
    • 患者のウイルスが大量に含まれた糞便や吐物などから、人の手などを介して二次感染した場合(糞便や吐物など、またはそれらの飛沫が乾燥後にウイルスが空気中に漂い、空気感染を起こすこともあります。)
    • 家庭や共同生活施設など人同士の接触する機会が多いところで、人から人へ飛沫感染などで直接感染する場合
    • 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
    • 汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
    • ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
  • 感染した場合の症状としては、病原体により異なり、また程度に個人差もありますが、下痢、嘔吐、悪心、腹痛、発熱などをきたします。 潜伏期間はノロウイルスが24~48時間、ロタウイルスが24~72時間とされています。
    ロタウイルスを原因とする場合は、便が白色になることもあります。
    また、水のような下痢、血便となる場合も多いです。
    症状が重い場合は脱水症状をおこすこともあります。

★ウイルス性胃腸炎にかかったら?

  • ウイルス性胃腸炎に特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
    乳幼児や高齢者では嘔吐や下痢などによる脱水症状を生じることがありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。
    特に高齢者は、誤嚥(嘔吐物が気管に入る)により肺炎を起こすことがある為、体調の変化に注意しましょう。
    嘔吐の症状が治まったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心掛けましょう。水分と栄養の補給が大切です。
    止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

★ウイルス性胃腸炎の予防法は?

  • まず大切なのは手を洗うことです。特に排便後、また調理や食事の前、帰宅時には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
  • ロタウイルスによる感染症については、予防接種ワクチンがあり、乳幼児を中心に接種を受けることが行われています(任意接種)。ノロウイルスについては、予防接種はありません。
  • カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。
    (中心温度85℃1分以上の加熱が必要です)
  • 感染者の便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
     感染者が使用した食器やリネン、衣類等を洗浄する場合は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)を使用し、消毒するようにしましょう。感染者がうがいや嘔吐した場所についても、同様に消毒が必要です。
    【簡易なハイターなどの薄め方】(市販の漂白剤:塩素濃度約5%の場合)
     0.02%・・・環境消毒に使用  0.1%・・・嘔吐物・糞便が付着した場合の処理に使用 (家庭や施設において、発生時にトイレのドアノブや手すりなど、多くの人が触れる場所の消毒に使用。(注)次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるため、金属部分に使用した場合は10分程度たったら水拭きしてください。また、塩素ガスが発生することがあるので、使用時は十分に換気をしてください。)

★最後に

  •  ウイルス性胃腸炎は、それぞれウイルスの感染力が強く、インフルエンザと同じように集団感染を引き起こしやすい為、社会的に影響を与えることが大きい疾患です。
     そして、結局のところ自分の免疫力で病気を治すしかありません。その為、日頃からの健康な身体作りには充分留意していくことがとても大切です。

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